カブス・川崎宗則【写真:田口有史】

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コロンの最年長1号弾を受け、米メディアが「1本塁打クラブ」を作る

 カブス川崎宗則内野手が、米メディアに「1本塁打クラブ」を代表する10選手の中の1人に選出されている。メジャー最年長選手として知られるメッツのバートロ・コロン投手が、7日(日本時間8日)の敵地パドレス戦で自身メジャー初本塁打を放ったことを受け、米スポーツ専門サイト「スポーツ・オン・アース」がキャリア1本塁打の選手について特集記事を掲載。現在、カブス傘下3Aアイオワでプレーするムードメーカーが、近年の「1本塁打クラブ」トップ10に選ばれた。

 コロンの一発は、米国内で大きな話題となった。1997年にデビューしたベテラン右腕にとっては、キャリア247打席目でのメジャー初本塁打で、その瞬間は敵地も大盛り上がりに。キャリア1号本塁打としては、ランディ・ジョンソンの40歳を抜いて最年長記録だった。

 記事では「コロンはこれでもう初本塁打を求めている投手ではなくなった。現在、アクティブな投手の中ではジャイアンツのジョニー・クエト(484打席)がもっとも長い期間本塁打を放っていない投手となる」と説明。さらに「コロンはこれで『1本塁打クラブ』の一員となった」としている。

 メジャーでは、図抜けた通算成績を残した選手たちをひとくくりにして「3000本安打クラブ」、「500本塁打クラブ」、「300-300クラブ(300本塁打、300盗塁)」などと呼んでいる。それにかけて、この特集では「1本塁打クラブ」を作ったというわけだ。

 その中で「疑いなしの座長」とされているのは、「ジャイアンツの実況としても知られるデュエイン・クイパー」。記事では、「1974年から1985年までインディアンスとジャイアンツで二塁手としてプレーしたクイパーは、3754打席で1本塁打しか放っていない」と珍しいキャリアを特筆している。

川崎は「今季のスプリングトレーニング時に3ランを放った際にも観客は熱狂の渦に」

 そして、コロンと同時代にプレーしている選手の中から、「1本塁打クラブ」を代表する10人を選出。そのメンバーは以下の通りだ。

10位、ランディー・ジョンソン(投手)
9位、ハビアー・バスケス(投手)
8位、コール・ハメルズ(投手)
7位、川崎宗則(内野手)
6位、アーロン・ハラング(投手)
5位、ロイ・オズワルト(投手)
4位、エマニュエル・バリス(内野手)
3位、ジョーイ・ギャスライト(外野手)
2位、ジェイソン・タイナー(外野手)
1位、トム・グラビン(投手)

 投手陣が多い中、川崎は7位で選出。寸評では「2012年に日本からMLBへやってきた34歳の内野手は、今季のほとんどをカブスの3Aでプレーしているため、今季は2打席しか加えていない。しかし、もしこのまま1本塁打のみとなると、それはトロントの本拠地でカーテンコールを巻き起こした、2013年6月21日の同点2ランとなる」と紹介している。

 記事では、川崎のメジャーキャリアで唯一の本塁打の動画も掲載。オリオールズ戦の7回、2点を追う2死一塁の場面で、川崎はライトへ同点2ランを放った。すでにトロントで絶大な人気を誇っていた日本人内野手の一発は本拠地の大熱狂を呼び、場内はスタンディングオベーションに。ダッグアウトに戻った川崎は、ベンチから飛び出してカーテンコールに応えていた。

 寸評ではさらに、「人気者の川崎が今季のスプリングトレーニング時に3ランを放った際にも観客は熱狂の渦となり、チームメイトはサイレントトリートメントで彼を出迎えた」と紹介。マイナー契約(当時)で招待選手としてカブスのキャンプに参加し、好成績を残しながら開幕メジャーを逃した川崎は、マイナー行きを告げられた直後の試合で一発を放ち、オープン戦とは思えない大歓声を浴びていた。

 現在はマイナーでプレーしているが、絶好調のカブスを率いるマドン監督は、選手としても確かな実力を持つ川崎の力がシーズン中に必ず必要になると明言している。底抜けに明るいキャラクターで新天地でも早速、人気者となっている川崎。今季中に「1本塁打クラブ」を退会するような活躍に期待したいところだ。