資料写真=鄭捷死刑囚

写真拡大

(台北 11日 中央社)法務部(法務省)は10日夜、2014年5月に台北メトロ(MRT)板南線車内で乗客4人が死亡、22人が負傷した無差別殺傷事件を起こした鄭捷死刑囚の刑を執行したと発表した。2008年から続く馬英九政権での執行は33人となった。

▽刑確定から18日のスピード執行

最高裁での審問で、被害者やその家族に対して反省の言葉を述べることもあったが、先月22日に死刑が確定。法務部の陳明堂政務次長は10日、「社会への影響が大きく、市民を恐怖に陥れた」としてスピード執行に踏み切った理由を説明した。

台湾では銃殺刑が採用されている。陳次長によると、鄭死刑囚は執行直前の食事に少しだけ手をつけ、「水がほしい」と求めた以外は、特に口を開くことはなかったという。執行は午後8時47分から行われた。先に麻酔注射を打たれ、3回の発砲の後、医師が死亡を確認した。事前に臓器提供の申し出はなく、移植は行われなかった。

▽執行にさまざまな声…犠牲者遺族「抑止になって」

事件で犠牲となった潘碧珠さんの夫、邱木森さんは、鄭死刑囚とその家族から直接の謝罪を受けていないと訴え、「(凶悪犯罪の)抑止になってほしい」と胸のうちを明かした。

一方、死刑廃止を求める民間団体の代表は、政府は重大犯罪の発生メカニズムの研究をしようとせず、犯人の更正も行き届いていないなどと批判。「政府こそが無差別殺人を起こしている」と訴えた。

台湾では今年3月、台北市内の路上で女児(4)が無職の男(33)に刃物で首を切断され死亡する事件が起きるなど、凶悪犯罪が後を絶たない。国家発展委員会が4月に行った調査では約9割の市民が「死刑制度廃止に反対」と答えている。

(蔡沛キ、黄麗芸、黄旭昇、王鴻国/編集:齊藤啓介)