連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第5週「常子、竹蔵の思いを知る」第32話 5月10日(火)放送より。 
脚本:西田征史 演出:岡田健


「なんだか男の方が気になるようになってしまって」
ちょっと久しぶりに出てきた中田綾(阿部純子)が、いきなりすごい台詞を。
さらに、
綾「あなたはいいわね身近に殿方がたくさんいらして」
常子「そんな言い方したらなんだか私がはべらせているみたいじゃない」
この会話も印象的。

そう言われたら朝ドラヒロインはたいてい「はべらせて」いますね。
ただ、綾は自分のまわりには男性は父親しかいないと嘆き、それは、とと(西島秀俊)を亡くした常子(高畑充希)にはやんわりと刺さってしまいます。
常子にとっては、はべらせるよりもととがいてくれたほうがいいでしょうから、清(大野拓朗)、武蔵(坂口健太郎)といった常子を取り囲む男性たちに、ちょっとヘンな親戚、ちょっとヘンな友達という以外の感情は沸きません。ふたりともヘンだってとこがなんともはやですが、それはともかくとして、常子が未知なる、恋とか結婚とか自分の人生とかを明確に意識するようになることと、君子(木村多江)と滝子(大地真央)の和解とを絡めて描くのは面白い仕掛けです。

そして、君子が学費を出してくれていたのが他ならぬ滝子であったことを知ってしまう原因を、隈井(片岡鶴太郎)がつくります。長谷川といい、隈井といい、各家にうっかりさんがいて、いい「うっかり仕事」をします。隈井のお酒にまつわるエピソードも期待を裏切りませんでした。
あとは、予告とサブタイトルで匂わせている、とと(竹蔵)の思いがどこでどう出てくるか。なんだかコース料理のメニューを見ながら、あ、これがコレね。今度はアレね、とわくわくしながら食べている気分です。
ごはんで人の気持ちを和ませるのもすばらしい仕事、ドラマで人の気持ちを和ませるのもすばらしい仕事であります。
(木俣冬)