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 2016年4月30日、オマハの賢人との異名を持つ米国著名投資家、ウォーレン・バフェット氏(85歳)が率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイは、Yahoo!ファイナンスを通じて、初めて、年次株主総会のインターネットライブ中継をおこなった。現在、オンデマンドで視聴できる。(出典:April 30, 2016 Berkshire Hathaway 2016 Annual Shareholders Meeting 英語)

 毎年、バークシャー・ハザウェイの年次株主総会には、4万人近くの株主が世界中から押し寄せ、「投資家のウッドストック」とも呼ばれる。集まった株主らの質問に対し、バフェット氏とチャーリー・マンガー氏(92歳、バークシャー・ハザウェイ副会長)が壇上からユーモアを交えながら答えていく。その時間は毎年6時間にも及ぶ。

 昨年まで、株主総会出席者は質疑応答の様子を録音したり動画を撮影したり写真を撮ることは許されなかったので、今年のインターネットライブ中継は、画期的と言える。株主はネブラスカ州オマハまでわざわざ行かなくても、また、株主でなくても、バフェット氏およびマンガー氏の生の声を視聴できたのだ。

◆利便性を劇的に向上させたネット配信

 オマハは、米国ネブラスカ州の東端に位置する同州最大の都市で、人口は約44万人。ユニオン・パシフィック鉄道の東の起点であり、周辺の農業、畜産の拠点となっており、酪農、畜産加工などの食品工業が発展。オマハで生産される肉牛は「オマハステーキ」として、全米屈指の高級ブランドとなっている。米国では「オマハの賢人」ウォーレン・バフェットの生誕・居住地として、また、バークシャー・ハザウェイの本社所在地としてオマハは有名である。静岡市とオマハは姉妹都市提携を結んでいる。

 東京・成田からオマハへ行こうとすると、JAL,ANA,デルタ航空、アメリカン航空、ユナイテッド航空などで、シカゴ、ロサンゼルス、ヒューストンなど主要都市を経由し、乗り換え1回で、オマハへ到着できる。オマハからの帰りの便も同様。成田からオマハまでの総移動時間は15時間から20時間である。

 成田からオマハまで、航空運賃およびホテル代を合わせると、エコノミー利用の最低価格料金でも、20万円程度はかかると思われる。

 このように、年次株主総会のインターネット配信が、総移動時間や費用から見ても、いかに利便性の高いものであるかがわかるだろう。

◆「トランプ氏が大統領になったら?」

「トランプ大統領が誕生したら、どんなリスクがあるか?」という株主からの質問があった。バフェット氏は「それは重要な問題にはならない。」と答え、会場は爆笑に包まれた。

 しかし、この意味合いは、トランプ大統領の誕生がもしあれば、そのインパクトは多くの領域で非常に大きいが、そのことに比較すれば、トランプ大統領の誕生のバークシャー・ハザウェイへの影響は相対的に小さいということであろう。

 大統領選で誰が勝利しても、バークシャー・ハザウェイの経営は引き続き順調だとの考えをバフェット氏は示した。ただ、元来、バフェット氏は民主党支持である。バフェット氏は、ヒラリー・クリントン前国務長官への支持を表明している。

◆マイナス金利は保険事業にマイナス

「EUおよび日本のマイナス金利が米国に及んだ場合、バークシャーの保険事業にどう影響を与えるか?」という株主からの質問に対して、バレット氏は、マイナス金利による債券利回りの低下はバークシャーの保険事業にはマイナスと答えた。

「債券の利回りの低下に影響を受けているすべての人にとって問題だ。50年前の人生計画にこうした状況は組み入れられていない。保険事業は、今後かなりの期間は魅力のないものとなりそうだ。」と、バフェット氏はコメントしている。