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IDC Japanは5月10日、2016年3月に実施した従業員規模999人以下の国内中堅中小企業IT市場ユーザー調査の結果を発表した。調査結果によると、2016年度(会計年)のIT支出予算については、前年度から「増加する」と回答した企業は3分の1程度で、2015年度のIT支出予算を「増加」と回答した企業の割合を若干下回った。

また、約半数の企業が「同じ/変わらない」としていることから、2016年度においてもIT支出予算が慎重な中堅中小企業は依然として多いとIDCでは想定している。

中堅中小企業では、従業員規模に関わらずIT支出重点事項としてセキュリティ関連の項目を挙げる企業が多くなっているという。セキュリティ関連項目のうち「情報漏洩対策」を挙げる企業が最多だが、2016年度、2017年度のIT支出重点項目では「ID/アクセス管理強化」または「脅威管理強化」の優先順位が高まっている。

IDCではマイナンバー制度対応に加え、サイバーセキュリティ犯罪が頻発しており、情報漏洩による損害が甚大となっていることから、中堅中小企業においても継続的なセキュリティ強化が求められているため、より高度なセキュリティ対策を検討する企業が増加していることが要因だという。

さらに、中堅中小企業が抱える経営課題としては「売上拡大」の回答率が昨年の調査と同様に最も高くなっており、円高などで不透明感が高まっている国内経済において、いかに業績拡大を図るかを課題とする企業が多いという。

なお、IT活用による効果が期待できる課題としても「売上拡大」を挙げる企業が最も多くなっており、業績拡大を目的に戦略的なIT活用を図る中堅中小企業は現時点では一部にとどまっていますが、今後徐々に増加することが見込まれる。

「ITベンダーに不満を持つ点」として、特に従業員規模1〜99人の小規模企業では「経営戦略に直結する相談ができない」を挙げる企業が比較的多い。結果として、小規模企業では業績拡大を目的としたIT利活用を模索しているものの、ITベンダーからの適切な提案などがないことが不満につながっていると考えられるという。

IDC Japan ITスペンディング リサーチマネージャーの市村仁氏は「ITベンダーはユーザー企業に対し、売上拡大などの経営課題に関する相談を受ける体制を構築するとともに、課題解決につながるITソリューションの提案を積極的に行うことが重要である」と分析している。

(辻)