リオ五輪に挑むU−23日本代表のオーバーエイジ候補として、大久保嘉人が浮上しているとの報道があった。

 J1リーグ3年連続得点王にして、今季もランキング上位をキープする33歳が招集されれば、得点力アップの期待は高まる。登録人数が18人に絞り込まれる五輪では、必要なら2列目でもプレーできる彼の柔軟性もまた魅力だ。

 1月のアジア最終予選突破直後にも、大久保の招集が話題に上がった。彼はオープンな性格なので、「出場したい意思はあるか?」と聞かれれば否定はしなかった。僕自身、2月と4月にインタビューをする機会があったが、五輪について聞けば「呼ばれたらもちろん考えます」と間をおかずに答えた。「フロンターレの判断に従います」と、付け加えるのも忘れなかった。オーバーエイジでの招集が噂される選手の反応としては、いたってノーマルである。

 大久保の招集は基本的にないと、僕は分析している。

 手倉森監督が「オーバーエイジありき」でのチーム編成を考えていないのは、前回の更新分に書いた。チームの目標に掲げたメダルを獲ることのみを判断基準として、オーバーエイジを選ぶことはしない、ということである。

 開幕まで3か月を切ったリオ五輪を睨みつつ、指揮官は2年後のロシアW杯も見据えている。オーバーエイジについても、「ロシアW杯に出場できる可能性」を選考の条件に加えている。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督のもとで日本代表に選ばれている選手か、すでに選ばれたことのある選手、あるいはこれから選ばれそうな選手を招集し、その選手とリオ世代がコンビネーションやコミュニケーションを高める──それによって、リオ五輪を戦ったチームからひとりでも多くの選手がA代表へ定着できるようにしたい、との構想を描いている。

 その考えかたに立つと、大久保の招集は考えにくい。18年のロシアW杯を36歳で迎える彼よりも、現実的な選択肢となりうる選手はいるからだ。
 
 ハリルホジッチ監督のチームにおける立場に現在の年齢を加味して、得点源となりうるオーバーエイジを国内から探してみる。たとえば、金崎夢生、小林悠、永井謙佑、宇佐美貴史らは、手倉森監督の考えるオーバーエイジ像に近い。スピード系のFWには浅野拓磨がいるので、永井が招集される可能性は低いと思われるが。
 
 オーバーエイジの招集は、所属クラブの理解が大前提だ。さらに加えて、国内組の招集には「1チームから3人まで」とのルールもある。五輪開催時もリーグ戦は行なわれるだけに、クラブごとの目標とそれに対する勝点や順位も関係してくる。かといって、そこまで事前に判断するのは難しい。だから、オーバーエイジの招集は困難を極める。
 
 いずれにせよ、五輪の好成績は日本サッカー全体の利益となる。ロシアにつながる人選でリオから歓喜をもたらすことが、18年はもちろん20年の東京五輪や22年のカタールW杯につながる。そこまでの距離感で、リオのオーバーエイジを考えていきたいのである。