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(台東 10日 中央社)台東県の離島、蘭嶼に暮らす台湾原住民(先住民族)のタオ族文化と密接な関係があるトビウオ漁をめぐり、伝統文化の保護を求める台東県と生活のために漁を行いたい屏東県の漁業関係者の間で対立が続いている。漁業関係者らの不満は抗議活動に発展。問題が複雑化する可能性が出てきた。

原住民族委員会は毎年3〜6月をトビウオの季節として制定しており、蘭嶼周辺6カイリ以内での10トン以上の漁船の操業と刺し網などの使用を禁止している。また、2012年9月には台東県が期間を毎年2〜7月に延長。さらに水上バイクなどでトビウオの魚群を誘導するのを禁じた。

これに不満を募らせたのが、屏東県恒春鎮の漁業関係者。今月5日には盧玉棟鎮長らと同鎮後壁湖漁港で抗議活動を実施し、今後規制が緩和されなければ、蘭嶼と同地を結ぶフェリーの乗り入れ拒否もあり得るとした。運行に支障が出る恐れのあるフェリー業者は頭を抱えている。

屏東県政府農業処の姚志旺処長は、漁業関係者の権利を尊重すべきだと理解を求める。また、台東県新港区漁会(漁協)でも自治体が話し合いの機会を作り、折り合いをつけてほしいと話す。

だが、台東県蘭嶼郷の郷長は、伝統文化保護の面で妥協しない姿勢を堅持。トビウオ文化はタオ族の文化であり、破壊されれば、蘭嶼の生活や生態が変わってしまうと訴えており、双方の主張は平行線をたどっている。

(盧太城、郭シセン/編集:齊藤啓介)