日本経済の回復の遅れを案じる声が高まりつつあるなか、中国国内ではアベノミクスによる景気対策が奏功していないという見方が増えている。(イメージ写真提供:123RF)

写真拡大

 日本経済の回復の遅れを案じる声が高まりつつあるなか、中国国内ではアベノミクスによる景気対策が奏功していないという見方が増えている。

 アベノミクスによる成長戦略と日銀による異次元緩和によって、日本経済はデフレから脱却するという筋書きだったが、日銀は物価上昇率2%の目標達成時期の先送りを続けている。中国ではこうした日本経済の現状に対し、デフレ脱却はまだまだ先という見方も増えているが、中国メディアの騰訊はこのほど、中国の中央銀行である中国人民銀行がまとめた報告書を引用し、「日本経済には活力があることに驚いた」と伝え、中国人たちは「騙されていた」などと報じた。

 記事は、2015年1月から16年3月の期間中における日本の失業率はもっとも高かった時で3.6%、最低は3.1%だったと紹介。同期間中、米国の失業率は4.9%から5.7%、欧州は10.2%から11.2%という水準だったと伝えたほか、中国の16年第1四半期における失業率は4.04%だったと伝えた。欧米に比べて労働市場が逼迫する日本はそれだけ仕事があり、景気が良いことを示すものとの見方を示した。

 続けて、米国、欧州、日本、中国という世界最大の経済体のうち、米国経済は回復傾向で、日本と欧州は今なお苦境に直面しているというのが一般的な認識だったとしながらも、日本の失業率の低さは驚くべき水準であり、「苦境に直面しているとは到底思えないもの」と主張した。

 さらに、中国人の大半が「アベノミクスがまもなく崩壊し、日本経済もまもなく終焉を迎える」と考えていたとする一方、実際の日本は「失われた20年のなかで失業率がもっとも低下していた」と主張、中国人の認識と日本の失業率のギャップに対して「中国人は騙されていた」と表現した。

 失業率が日本経済のすべてを示すものではなく、実質賃金の低下や実質消費支出の落ち込みなど、日本経済が今なお低迷していることを示す指標も存在することは事実だ。労働市場の逼迫が人件費の上昇、さらには消費の増加へとつながるかどうかが鍵だ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)