松本潤の『99.9』がトップ独走!『HERO』っぽいのが魅力?【春ドラマ評  日曜編】
【今からでも間に合う! 注目の春ドラマ 日曜編 】

 この春、日曜の夜はドラマがおもしろくて、遊んでいるよりも自宅にいたくなる。21時スタートモノを見終えたら「風呂でも入ろうか」となるところが、22時30分スタートの日テレ系『ゆとりですがなにか』がある。

 昨年から始まった放送枠だったのだが方向性に迷っていたのか、予算の都合か今ひとつでパンチに欠けていたように思う。それが今クールは脚本に宮藤官九郎、俳優陣にイケメン勢揃いと見どころ上昇で目が離せない。新・娯楽の誕生に寝る時間が遅くなったような……。そんなドラマ好きライター・スナイパー小林が日曜夜のドラマをご案内!

◆平均視聴率17%でトップ独走中

99.9‐刑事専門弁護士‐
(TBS/日曜21時/出演・松本潤、香川照之、榮倉奈々)

 日本の刑事裁判における有罪率は99.9%。刑事専門弁護士・深山大翔(松本潤)は、その残り0.1%に望みを託して事実を追及していく。国内大手の法律事務所にヘッドハンティングされ、意向に沿わないまま民事専門から刑事専門ルームの室長となった佐田篤弘(香川照之)を上司に、そして東大卒のエリート立花彩乃(榮倉奈々)を相棒に、事件に挑む。

 周囲から偏屈だと思われようと気にせず、些細なヒントにこだわって真実にたどり着こうとする深山の姿は『HERO』(2001年、2014年フジテレビ系放送)の久利生公平を思い出す。佐田とのやり取りも軽妙でいい。

 ドラマ内で深山は耳を触る癖があるのだが、番宣で出演したバラエティ番組でこの癖を松潤がさりげなく披露していたことにプロ根性を感じた。

◆愛菜ちゃん、大きくなったなあ…

OUR HOUSE〜わたしたちのいえ〜
(フジテレビ/日曜21時/出演・芦田愛菜、シャーロット・K・フォックス)

 母親亡きあと、一家の家事をすべてこなす4人兄妹の長女・伴桜子(芦田愛菜)。突然、父親が再婚相手として連れ帰ってきたのはアメリカ人のアリス(シャーロット・K・フォックス)だった。その事実を許せない桜子は結婚を阻止するため、アリスとバトルを繰り広げる。

 視聴率絶好調の『99.9』の裏で苦戦しているが、出演している一線級の子役たちの成長を見ていると微笑ましい。家族同士のケンカ、恋愛、学校問題などをテーマにした、どこか懐かしいテイストが心地よいと思ったら、脚本は野島伸司、演出はトレンディドラマ王の永山耕三ということで納得。

 桜子の叔父役・塚本高史(三上丈治役)がハチマキを巻いた焼き鳥屋の姿で登場するのだが、これが妙にハマっているのがツボ。場末感満載の店、現実にあったらぜひ通いたい。

◆オジサマ世代にこそ見て欲しい“ゆとり”のリアル

ゆとりですがなにか
(日本テレビ/日曜22時30分/出演・岡田将生、松坂桃李、柳楽優弥)

 食品メーカーで働く気弱な会社員の坂間正和(岡田将生)。モンスター・ペアレントや教師同士の関係性に悩む小学校教師の山路一豊(松坂桃李)。11浪中で子持ち、風俗業の道上まりぶ(柳楽優弥)。3人はともに1987年生まれのゆとり世代。それぞれに問題を抱え込みながらゆとりのない社会で生きる彼らが、ある日出会い……。

 主役の演技力が三者三様に光りすぎている中で、期待を上回ったのが柳楽優弥。風俗の呼び込みにやたら声を張って「おっぱい」を連呼する姿に思わず笑ってしまった。

 とはいえ、上司のパワハラを逆手に取って、その証拠写真をSNSにアップすることをチラつかせながら上司に土下座を強要する新人や、若者の自殺など、オジサマ世代に見て欲しい社会問題も盛り込まれている。やたら登場人物が多いのにきっちりまとまっているクドカンワールドはお見事。

<TEXT/スナイパー小林>
【スナイパー小林 プロフィール】
ドラマ解説、芸能、恋愛、カルチャー、美容・健康ネタ好きのライターであり、編集者であり。執筆や編集を手がけた媒体は100冊以上。約20年以上ドラマをこよなく愛し、ついには趣味が仕事になった幸せ者のアラフォー。Twitter:@hisano_k