中国メディア・捜狐は5日、中国人による日本の便座購入ブームが去りつつあるなか、日本産の真珠が新たな「爆買い」のターゲットになっているとする記事を掲載した。中国でも真珠は生産されているが、中国産とは決定的に違う点が日本産にはあるという。(イメージ写真提供:123RF)

写真拡大

 中国メディア・捜狐は5日、中国人による日本の便座購入ブームが去りつつあるなか、日本産の真珠が新たな「爆買い」のターゲットになっているとする記事を掲載した。中国でも真珠は生産されているが、中国産とは決定的に違う点が日本産にはあるという。

 記事は、昨年に初期加工処理をおこなった日本のアコヤ真珠の輸出量が前年比10%増となり、この14年で最高水準に達したことが貿易統計から明らかになったと紹介。また、平均単価も15%上昇しており、2006年以来で最高となっているとした。また、3月に香港で開かれた宝飾品展示会では、日本の真珠が中国人購入者に多く売れたことも併せて伝えた。

 そして「どうして中国人はここ2年で日本の真珠に対してこれほど大きな情熱を傾けているのか」としたうえで、その理由を解説。真珠には淡水真珠と海水真珠があり、中国大陸で生産されるのは淡水真珠で、世界の85%を占めていると紹介した。淡水真珠が1つの母貝から30個ほどの真珠が取れるのに対して、海水真珠は1つの母貝から1つの真珠しか取れないうえ品質が高く、その価値も淡水真珠より高いとしている。

 そのうえで、日本産の真珠として代表的なアコヤ真珠は希少価値の高い海水真珠であること、なおかつ、海水温が13度を下回ってはならない、海流やプランクトンが豊かである、海水の純度が高いなど、母貝を養殖して色艶のいい真珠を生産するための環境要件が厳しいことを紹介した。

 中国語で真珠は「珍珠」。その字面からも貴重な珍しい「珠」としてもてはやされて来たかが分かる。そして日本語の「真珠」という文字も、希少価値の高いアコヤ真珠にしか出せないような「真」の光沢や色合い、美しさを表すのにピッタリと言える。真珠の養殖にも、中国が日本やドイツなどを手本に作り上げようとしている「匠の精神」が生きているのである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)