ボルボのクルマといえば、安全性へのこだわりを思い浮かべる人もいるでしょう。

いまや大半の新車に標準もしくはオプションで用意されている衝突回避・被害軽減ブレーキも、日本ではボルボがいち早く導入しており「アイサイト」で知られるスバルよりも早く、2009年にXC60に搭載されています。

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外資のボルボが先んじたから、というわけではないでしょうが、機能の認可など、諸手続をめぐって国土交通省通いで苦労した逸話もうかがったことがあります。

ボルボは現在、「2020年までにボルボの新車に乗車中の死者・重傷者をゼロにする」という「VISION2020」を掲げています。

同社が熱心に推進している自動運転の実験は、こうしたビジョンの成功に欠かせないだけでなく、安全性への追求に終わりはない、というポリシーを貫くための目標なのかもしれません。

ボルボは、2017年にロンドンにおいて、英国史上で最も野心的な自動運転実験を開始すると発表しました。。

この実験は「自動車事故の大幅な減少と渋滞からの開放、そして運転者の貴重な時間の節約を実現する自動運転技術の導入速度を加速させるべく実施」するという、「野心的」と表現するのにふさわしい目的が掲げられています。

ボルボのイギリスでの実証実験は「Drive me London」と呼ばれ、ほかの自動運転実験とは、一般のドライバーも自動運転車を公道で使用するという点で一線を画しています。

この実証実験により、一般の参加モニターが日常使いをする自動運転車からデータを収集。クローズドのテストコースで行われる非現実的なテストとは全く異なる実際の道路環境にマッチした自動運転車の開発に活用する予定です。

また、ロンドンの保険産業の研究機関であるサッチャムが、技術データの分析と実験の一部として必要な各種のプロテストドライバーを提供します。

なぜ、保険産業の研究機関が絡んでいるのでしょうか。

これは、オートブレーキの導入により保険料金のレートが引き下げられているイギリスでは、自動運転の分野でもこうした保険の研究機関の分析は不可欠なのだと思われます。

この「Drive me London」は、2017年初頭から限られた数の半自動運転車から始まり、2018年には自動運転車100台を含むレベルまで拡大する予定。

英国の交通史上、最も大掛かりな自動運転の実証実験となるそうです。

現在、事故の約90%はドライバーのミスや注意散漫で起きているそうですが、自動運転技術によりそのほとんどを防ぐことが可能となります。

ほかにも混雑や渋滞の解消、ドライバーの運転時間からの解放など、自動運転により得られる効果はいくつもあげられます。遠い未来の話ではなく、課題は数多くありながらも段階を踏みながら実現に向けて近づいているようです。

(塚田勝弘)

ボルボがスタートさせる公道での自動運転実験の野心的な狙いとは?(http://clicccar.com/2016/05/08/370233/)