フルモデルチェンジを果たしたジャガーXFに乗って参りました。三重県は伊勢志摩を基点に、プレス試乗会が開かれたのです。

1

2007年以来のニューモデルとなった2代目XFは、そのルックス通り名実ともに(!?)XEの兄貴分。ボディの75%にアルミニウムを使用したモノコックボディを、XEより125mm長い2960mmのホイールベースに載せています。

メルセデス・ベンツCクラス、BMW3シリーズをライバルとするXE、同じくEクラス、5シリーズに対抗するXF、というわけです。

初代XFの時代は、まだXEが登場していませんでしたから、先代は、Eクラス/5シリーズの顧客を睨みながら、Cクラス/3シリーズのお客様もフォローしなければいけないという厳しい闘いを強いられました。

今回、ようやく体勢が整い、ジャーマンプレミアムにジャーマンスープレックスをかけられるようになりました……って、なんのこっちゃ。

新型XFのスタイリングはXEそっくり。さらに言うと、フラッグシップたるXJのデザインにもつながっています。

現行XJがデビューしてすでに8年が経ちますが、世界的にジャガーというと丸目4灯のクラシカルなイメージが未だに根強く残っています(特に日本市場ではその傾向が強いそうです)。

ガラリと装いを変えた新生ジャガーの姿を認識してもらうため、3つのモデルが一丸となって、消費者にアピール必要があるのでしょう。

ニューXFはボディサイズの大きさをほぼ変えず、というか、全長は旧型から10mm短い4965mmとした一方、ホイールベースを50mm延ばして後席の居住性を向上させました。

サイドのウィンドウグラフィックも、リアドアの後ろに小窓を設けたシックスライトとして、スポーティなフォルムを維持しつつ、全体にちょっぴりフォーマルな印象にしています。

 

車種構成は、2リッター直4ターボ(240ps/598万円〜)、同ディーゼルターボ(180ps/635万円〜)、3リッターV6スーパーチャージド(340ps/969万円〜)、そのハイチューン版(380ps/1105万円)に大別されます。トランスミッションは、いずれも8速ATが組み合わされます。

「INGENUIM(インジニウム)」と名づけられた2リッター直4ディーゼルターボ搭載車については、こちらの記事ですでに報告しましたが、わずか1750rpmで430Nmの最大トルクを発生する使いやすいエンジンで、回さなくても速い。

 

最新世代のディーゼルらしく、シリンダー内に精緻に燃料を噴射する直噴機構を備え、排ガスに尿素水を噴き付けて、有害な窒素酸化物(NOx)を無害化するAdBlue(アドブルー)システムを採用しています。

試乗会初日は、ジャガー・ランドローバー・グループがリリースした最新ディーゼルに大いに感心させられました。

翌日の試乗車は、スーパーチャージャーで過給される3リッターV6ペトロ(ガソリン)エンジンを搭載したクルマでした。

前述の通り、340psと380psモデルが用意されるのですが、どちらも素晴らしい。試乗したのは、前者がXF R-SPORT(969万円)、後者がXF S(1105万円)でした。

ディーゼルモデルと比較すると価格が300万円以上違うので、これはもう違うクルマと言っていいでしょう。

堅実な走りを見せるXFディーゼルに対し、6気筒を積んだXFのドライブフィールは、実に華やかなもの。

タコメーターの針が回るのに従って排気音が高まり、クルマの速度がのっていく。積極的にエンジンを回すのが楽しくて、頭の中で「もしやこの感覚は古臭いのでは?」と思いながらも、頬が緩むのを止められません。

この3リッターV6は、ジャガー自慢のスポーツカー、Fタイプにも使われています。どおりでスポーティなはずですね!

V6を積んだXFでもうひとつ印象的だったのは、乗り心地のよさ。

サスペンション形式は、フロントがダブルウィッシュボーン、リアはマルチリンク式です。XFディーゼルでも十分フラットな乗り心地でしたが、ことに電子制御式アクティブダンピングシステムを採用したXFで高速道路を巡航していると、運転者の視線がほとんど上下しません。

これには本当にビックリです。ホイールポジションを1秒間に500回、ボディの揺れを同じく100回チェックして、ダンピング具合を調整しているのだとか。

新しいジャガーXFは、乗り心地の面でも順当に次世代に移行しているようです。「“フラットライド”といえばドイツ車!」と思っている方、一度、XFを試してみてはいかがでしょう?

(文と写真:ダン・アオキ/Office Henschel)

INGENUIMモデルとは異なる印象をみせるジャガー・XFのガソリンモデル(http://clicccar.com/2016/05/07/370754/)