畑違いのジャズに挑戦して世界へ!
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 タリバンによって禁じられた音楽文化を取り戻すために、大胆な挑戦に打って出たパキスタンの音楽家たちに迫るドキュメンタリー映画『ソング・オブ・ラホール』が、今夏公開される。

 本作は、文化が委縮し続けるパキスタンのラホールから、自分たちの音楽と聴衆を取り戻すために立ち上がった熟練の音楽家たちによるオーケストラ「サッチャル・ジャズ・アンサンブル」に迫った作品。伝統楽器を用いて、畑違いであるジャズの楽曲「テイク・ファイヴ」をカバーした彼らは、瞬く間に世界で評判になり、天才トランペット奏者ウィントン・マルサリスの誘いを受け、彼のビッグバンドと本場ニューヨークで異色の共演を果たすことになる。伝統音楽とジャズの融合による、奇跡の一夜が映し出される。

 監督を務めるのは、本年2度目のアカデミー賞短編ドキュメンタリー賞を受賞したパキスタン人女性シャーミーン・オベイド=チノイと、アンディ・ショーケン。世間から忘れ去られた音楽家たちが故郷を飛び出し、世界中を虜にしていく姿が、どのように描かれるのか楽しみだ。(阿部桜子)