専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第53回

 以前、女性とのラウンドは、相手探しも大変だし、いざラウンドになっても気苦労が多い、と書きました(※2015年7月1日配信「悩み多き『女性とのゴルフ』。最適な攻略法を教えます」)。今回は、その"気苦労"のお話です。

 異性とのゴルフは、何ゆえ気苦労が多いのか。

 それは、さまざまな感情が表に出てくるからです。言い方を変えれば、相手の本性が垣間見えてしまうというか。その結果、相手を思いやったり、おだてたり、あるいは教えたり、叱ったり......と、いろいろと気を使わなければいけなくなるのです。

 ゆえに、もし交際予定とか、結婚予定の女性がいて、その人がゴルフをたしなむのであれば、ぜひ一度、一緒にラウンドなさるのがよろしいでしょう。さすれば、「わがままでうんざり。もう顔を見たくもない」と憤ったり、逆に「いろいろと気を使ってくれてうれしい」と感嘆したりするはずです。いずれの結末になるにせよ、交際もしくは結婚すべきか否か、はっきりした方向性が示されるのは間違いないでしょう。

 もちろん、エスコートした男性側も、相手女性からその性格を見られ、男としての価値を推し量られています。

 例えば、パターを打つとき、キャディーさんがスライスと言ったのに、フックして逆のほうに曲がってしまった。その際、「スライスって言ったじゃん!」と、自分の下手さをキャディーさんのせいにしちゃ、終わりですよ。「こういうわがままな人には、ついていけない」なんて、女性は思うでしょう。

 ごくたまに、「あれは、キャディーが悪い。あなたは正しいよ」と言ってくれる方がいます。ただそれは、また別な意味で"似たもの夫婦"になる可能性があるのかな、と。

 見られているのは、プレー中だけではありません。例えば、売店などでの振る舞いも気が抜けません。

 売店で200円の缶コーヒーを割り勘にしたばっかりに、「あの人、ケチなんですよ」と陰口をたたかれます。また、会計のときに「キミのプレー代の領収書をくれない? どうせ使わないでしょ」なんて言ったら、「経費で落とすつもりなの!? だったらおごれよ、セコイ男やなぁ〜」って、落胆されるのがオチです。

 芸能界でも、ゴルフにまつわる男と女、夫婦によるトラブル話は結構多いです。だいぶ前の話ですけど、歌手の野口五郎さん夫婦の話題が週刊誌に載っていました。野口さんの、あまりの熱血指導によって、奥さんがへばってしまったとか。

 一般の方でも、夫婦でゴルフをたしなみ、同じコースのメンバーになっている方が結構います。じゃあ、ラウンドも一緒かというと、そうではありません。家族サービスなどで息子と3人で、というのはたまにありますが、奥さんは普段、おおよそ婦人会の仲間とラウンドをします。

 夫婦で常にラウンドしていると、あまりに関係が近過ぎて、いろいろとストレスがたまってしまうのです。だから、ゴルフ場に行くときは一緒でも、コースでは夫婦別々でラウンドをして、余計な摩擦を避け、夫婦の均衡を保つのです。いかに、男女のラウンドというものが難しいか、ということですね。

 夜のお仕事のホステスさんと一緒にラウンドしたことがありますが、みなさん、人間ができていました。さすが、接客業の方々です。たとえラウンド中でも、お客さんとゴルフをしている意識を忘れません。キレる、なんて絶対にないですから。

 むしろその逆で、仕事柄、客のグチを聞いている"延長戦"といった感じでしょうか。まぐれで当たれば、「ナイスショッー!」とかけ声をかけて気分よくさせてくれますし、誰かのボールが林に飛んでいったら、小走りでボールを探しに行ってくれるし、ほんと日頃から気遣いをして生きておられるな、と思いました。

 要するに、ゴルフをやるのも仕事の延長線上にある彼女たち。気遣いがクセになってしまったのでしょう。

 そう考えると、昔で言うところのスチュワーデスさん、彼女らのゴルフの腕前も、気遣いも、実にお見事でした。今の、キャビンアテンダントと呼ぶようになってからは知りませんよ。たぶん、ゴルフをするようなゆとりは、今の彼女たちにはないかも......。

 とにかく、接客業、サービス業の女性は、ゴルフをしても、わりかし好評です。ただ、それはあくまでも外面ですから。どんな女性でも、結婚をしたら内面が出てきます。そこまで読み込んで交際は考えないと、ですね。

 結局のところ、ビギナーの女性とラウンドをしても、気苦労ばかり多くて、自分のプレーになんて集中できません。それでも、自分のプレーを犠牲にしてまで、彼女をサポートしたい――そう思えるような女性がいつか現れないか、男は密かに思っていたりします。それはそれで、男の本懐かと思いますが......。

 愛とゴルフは、惜しみなくエネルギーを奪う。

 その両方が一気にきたら、そりゃ消耗しますよね。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa