連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第5週「常子、新種を発見する」第28話 5月5日(木)放送より。 
脚本:西田征史 演出:松園武大


出たー 「月がきれいですね」
28回は恋のはじまり回? 
常子(高畑充希)は不思議少年・星野武蔵(坂口健太郎)と再会。いきなり、武蔵は常子を抱きしめる。そこでオープニング。・・・を経て、武蔵、森田屋へ。彼がただのあやしい男ではなく帝大生とわかりみんな歓迎ムードに。
武蔵=たけぞう、とと竹蔵=たけぞう。しかも丸眼鏡で、常子のファザコンは刺激される。
そして武蔵、帰りがけに、キラーワード「月がきれいですね」発動。

夏目漱石が翻訳したと言われる「I LOVE YOU」のロマンチックな言い換えだ。一時期ネットでもものすごく話題になったせいで、異性と並んで「月がきれいですね」とうっかり言えなくなってしまった人も多いのではないか。空を見て月が綺麗だったら「わー月がきれい」とつい口にしてしまう。それをいちいち告白と解釈されたらたまったもんじゃない。そんな体験を常子が身を挺して味わってくれた・
再会した星野武蔵(坂口健太郎)がぽろりと漏らした「月がきれいですね」を聞いた鞠子(相楽樹)は常子に気があるのでは! と大騒ぎ。
現代では「月がきれいですね」と言われてイエスの場合は「死んでもいいわ」と応えるのが素敵となっている。「死んでもいいわ」は、ミッチーこと及川光博の歌ではなくて、二葉亭四迷の訳と言われている。22回で鞠子は「二葉亭四迷の『浮雲』のように私は孤独に生きるわ。」と語っており、作者は、彼女は漱石や二葉亭四迷を貪り読んでいる設定として書いているのだろう。

「月がきれいですね」については諸説ありで、都市伝説化しているうえに、ドラマの時代設定当時にはそんなに話題になっていなかったであろう。そんな話を盛り込むことで鞠子たちがすっかり現代人ふう。西田征史のてらいのなさは大物の証拠なのだろうか。
さて。当然ながら武蔵は告発説を否定する。だが、常子の瞳はすっかり武蔵に対して好意的になっている。好意的な瞳ができるのってすごい演技力だな、高畑充希。
(木俣冬)