ユースケ・サンタマリアの演技が“冬彦さん”並みに怖い!【春ドラマ評  金・土編】
【今からでも間に合う! 注目の春ドラマ 木・金編】

 週末の春ドラマは、大人には懐かしさが去来する。金曜放送のテレ朝系『不機嫌な果実』は、90年代に石田ゆり子主演で放送されていた(TBS系1997年放送)。なまめかしいシーンが多く刺激的な内容だったことを思い出す。

 そして、春ドラマではいち早く放送されていた土曜放送のフジテレビ系『火の粉』には、9年ぶりにユースケ・サンタマリアが主演している。

 安定感のある面々が揃う週末ドラマを、ドラマ好き20年のライター・スナイパー小林が批評する。夜ふかしのお供にぜひ。

◆橋下マナミ、体張ってます

不機嫌な果実
(テレビ朝日/金曜23時15分/出演・栗山千明、市原隼人、稲垣吾郎)

 水越麻也子(栗山千明)は結婚5年目、子どもなし。潔癖性でマザコンの夫・航一(稲垣吾郎)とはセックスレス。もやもやとする日々の最中、昔の恋人・野村(成宮寛貴)に再会し、関係を結んでしまう。そこへさらに音楽評論家の工藤(市原隼人)とも運命の出会いを果たし、泥沼の関係にハマっていく……。

 1996年に話題を呼んだ林真理子の同題の小説が原作。どれだけ艶っぽい感じがと期待したが、いまいちドロドロさが足りず……。栗山千明にベッドシーンでせめて喘ぎ声が欲しかった。あと彼女にもう少し肉感があるとベスト。

 演出も時流を鑑みているかと思いきや、いきなりホテルの部屋をバラで埋め尽くすという、バブルな演出には唐突すぎて引いた。そんな中で橋下マナミがAVに近いエロさを放出しているのはあっぱれ。

◆清純派・土屋太鳳の美脚も見どころ

お迎えデス。
(日本テレビ/土曜21時/出演・福士蒼汰、土屋太鳳、門脇麦、鈴木亮平)

 堤円(福士蒼汰)はコミュ障気味の理系大学生、自分が幽霊を憑依させる能力があることに気づく。感情むき出し、猪突猛進タイプの阿熊幸(土屋太鳳)とコンビを組み、死者たちの成仏できない問題を解決していく。

 コメディなのだけど、憑依することで今まで知りえなかった感情に触れて円が成長していく様子や、死んでもなお悔いのある死者たちの思いなど、ファミリー層にも見せたいメッセージ性がある。今まで清純派だった土屋太鳳がいきなりミニスカート&ハイヒールで登場して美脚を披露しているのも見どころ。朝ドラコンビ・門脇麦とのシーンをもう少し見たいな、とリクエストしておこう。

◆ユースケ・サンタマリアの演技が怖すぎる

火の粉
(フジテレビ/土曜23時40分/出演・ユースケ・サンタマリア、優香、佐藤隆太)

 梶間家の隣に越してきたのは、殺人事件の被疑者として起訴され、死刑を求刑された過去を持つ武内真伍(ユースケ・サンタマリア)。実は梶間家の家長・勲が死刑判決を翻した裁判官だった。そのお礼がしたいと梶間家に執拗に近づく武内。その怪しい言動に嫁の雪見(優香)や勲は不信感を抱く。実は自分が下した判決に迷いがあった勲だったが、ついには武内から数年前の殺人事件の犯人であると自白をされてしまう……。

 春ドラマでお気に入りなのがこの作品。無機質な役をやらせたらNo.1だと思っているユースケ・サンタマリアが怪演を見せている。他人へ奉仕をすることで自分の価値を認識して、自尊心を満たしていく武内。

 特に毎回登場する無表情でバームクーヘンを焼くシーンと、母へのビデオレターを録画するシーンが怖くていい。ユースケ、いつか木馬に乗って佐野史郎(1992年放送のTBS系『ずっとあなたが好きだった』より)みたいに「ん〜」と唸ってほしい。

<TEXT/スナイパー小林>
【スナイパー小林 プロフィール】
ドラマ解説、芸能、恋愛、カルチャー、美容・健康ネタ好きのライターであり、編集者であり。執筆や編集を手がけた媒体は100冊以上。約20年以上ドラマをこよなく愛し、ついには趣味が仕事になった幸せ者のアラフォー。Twitter:@hisano_k