連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第5週「常子、新種を発見する」第27話 5月4日(水)放送より。 
脚本:西田征史 演出:松園武大


鞠子(相楽樹)の制服を持ち出した犯人が富江(川栄李奈)であったことを、宗吉(ピエール瀧)が知って激怒。
富江が学校に行きたかったというのはミスリードだった。主人公・常子(高畑充希)が率先して勘違い。「本人(富江)、驚いちゃってますけど」とツッコむ長谷川(浜野謙太)、またまたグッジョブ。
とはいえ、母・照代(平岩紙)らは、家族の手前言えないだけなのではと心配する。
富江の本心は果たして? という興味で27回は進行していく。
ただ制服が着てみたかっただけと言う彼女を、制服を着てお出かけに連れ出す常子。
最初ははしゃいでいた富江だったがすぐ家に戻ってしまう。
都会の飲食店の価格の付け方や接客態度、森田屋で彼女が丹誠込めて手入れしているぬか漬けが気になってならず、根っからの商売人気質を見せつける富江。
あくまで富江の本心はグレーではあるが、彼女が仕事に誇りをもっていることは確か。
26回で滝子(大地真央)が言った「小学校を出て働いている子もいれば、女学校へ行ってさらに上を目指す子もいる。結婚し家に入る子もいれば、職業婦人になる子もいる。」は、学校に行けない子を作っている社会批判では決してなく、「仕事がしたくてやっている子もいる」という意図で書かれた台詞だったようだ。
自分よりも年齢が下にもかかわらず、自分の仕事に確かな技術と知識と誇りをもつ富江を見て、常子ははじめて人生の進路について考えるようになる。ええ話や。
富江が大事にしているぬか床は、朝ドラ「ごちそうさん」(2013年)を思い出させ、君子のもっていたミシンのデザインを見ると、「カーネーション」(11年)と同じメーカーのもののようで、常子と中田綾(阿部純子)の関係は「花子とアン」(14年)の花子と蓮子さま、妾問題は「あさが来た」(15年)。前作を思わせるものを盛り込むのは朝ドラ名物とはいえ、かなりぶっこんでいる。
(木俣冬)