失礼を承知で言うとパッソは地味なクルマですが、モデル末期でも月平均で3000台以上を販売していた隠れ人気車種。意外に凄いんです。

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そんなパッソ(と兄弟車のダイハツ・ブーン)が新型にフルモデルチェンジしたのはご存知の通りですが、実は先代や先々代とは両車の関係がずいぶん変化しています。

これまではトヨタとダイハツが共同開発し、ダイハツが製造を担当して(パッソを)トヨタに供給していましたが、新型は開発も完全にダイハツがおこない、トヨタには単にOEM供給という流れなのです。

いうなれば、「ストーリア」と「デュエット」時代に戻ったという感じですね。

……というのは前置きで、そんな大人の事情なんてとりあえずどうでもいいんです。ユーザーにはあまり関係がないので。

ここからは、ユーザーに関係ある注目ポイントというか凄いところを3つ紹介しましょう。

【1】まず注目すべきは燃費

2WD車の燃費(JC08モード)は28.0km/Lとなっています。実はコレってすごい数字。

30キロ台後半を誇るアクアとかフィットハイブリッドに比べると見劣りする数字ですが、奴らはハイブリッドですからね。こっちはモーターもバッテリーも積んでいない純粋なエンジン車。ピュアなんです。

それでこの数字はかなりのものですよ。もちろんハイブリッド以外の普通車(お役所用語でいう「登録車」)ではトップ。実燃費はふた昔前のハイブリッドカーくらいでしょうか。それって凄くない? 凄いんです。

【2】自動ブレーキは人にも反応

パッソの興味深いことのひとつが、自動ブレーキがトヨタ名の「セーフティセンス」ではなくダイハツ式の「スマートアシスト」だってこと。システムが違うから当然といえば当然なのですが、「スマアシ」がトヨタ車についているのはちょっとした違和感です。

でもって、その性能の違いも知っておきたいところ。たとえば追突軽減ブレーキの作動上限は、トヨタ「セーフティセンスC」が約80km/hなのに対し、「スマアシ」は約50km/h。いずれもセンサーはレーザーとカメラながら、作動に差があるのです。

しかも、「スマアシ」は人にも反応して接触を防ぐために自動的にブレーキをかけるという現状の「セーフティセンス」にはない機能まで搭載。やるじゃないですかダイハツ。

そのうえ、車両後方のセンサーにより、後ろ方向へもアクセルとブレーキの踏み間違いによる暴走を防ぐというのも「スマアシ」の注目機構ですね。

【3】後席はコンパクトカー(ハイト系を除く)で一番広い

でも実は、新型パッソ&ブーンで一番すごいのはコレだと思っています。後席足元(前後席間距離)が、ハイト系を除くコンパクトカーの中で一番広いんですよ。

ちなみに今までいちばん広かったのはホンダ・フィット。ですがそれを超えたんです。全長はフィットより短いのにですよ。やったー!

実はここにはしっかりカラクリがあって、後席足元を広げた分だけ荷室容量は減っているんです。

それは「後席は広いと喜ばれるから広く。だけど荷室はあまり重視されないから日常で困らない程度確保するけど、ちょっとだけ削ろう」という開発陣の判断。

ウンウンと頷いたあなた。新型パッソ&ブーンはそんなあなたのためのクルマです。

そして最後に個人的な独り言ですが、ルーフを黒く塗った2トーンってカッコよくないですか?

(工藤貴宏)

実はコンパクトカーでもっとも凄い!? 新型パッソとブーンの見どころ。(http://clicccar.com/2016/05/05/370261/)