『マクラーレンF1』の整備は1996年のコンパック製ノートPCに依存。メーカーは新しいインターフェースへの対応を準備中

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現マクラーレン・オートモーティブの前身であるマクラーレン・カーズが最初に生産した市販車"マクラーレンF1"は、その修理・メンテナンスのためにいまだに1996年製のノートPCを必要としています。

マクラーレンF1は1993年の発売当時、約1億円という価格が話題となったスーパースポーツカー。とはいえ、いまだに自然吸気エンジン搭載車では世界最速とも言われています。マクラーレン・カーズは生産開始から23年が経過するマクラーレンF1のサービス用PCとして、コンパックLTE 5280シリーズを供給していました。理由はこの3座スポーツカーの修理・メンテナンスを実施するために必要なカスタム仕様の「CAカード」を取り扱うため。

CAカードとは、Conditional Accessカードのことで、テレビのB-CASカードのようなもの。マクラーレンF1の統合化システムにアクセスするためにMS-DOSベースのソフトウェアで動作します。

自動車ニュースサイトJalopnikによれば、マクラーレン・オートモーティブは「CAカードがF1のシステムにアクセスする唯一の方法」と語り、これに対応する20年もののコンパックLTE 5280シリーズを確保するのに苦心しているとのこと。

ただ、マクラーレン・オートモーティブはまだこの車を見捨てておらず、モダンなPCからアクセス可能とすべく新たなインターフェースの準備に取り組んでいるとしています。よってもしこのスーパースポーツカーを入手しようとしている人がいるならば、それを取りやめにする必要はなさそうです。

産業用機器や高価なCADソフトウェアなどには、シリアルまたはパラレルコネクターを利用したハードウェアキー(ドングル)を必要とするものがありました。それらは本体やソフトウェア側のバージョンアップとともにUSBキーなど新しいインターフェースに置き換えられています。

PC本体のように置き換えられない自動車にこれと同じ仕組みを用いてしまったのは、完璧主義のマクラーレンにしては珍しいミスだったかもしれません。とはいえ、現在の多機能化したコネクテッドカーの多くはUSBインターフェースを採用しており、いつかそれが使われなくなれば同じような問題に直面する可能性は否定できません。

もしかすると、いずれはメーカーがあらかじめ対応する年数を設定し、「この車のサポート期間は****年までです」と取扱説明書に記載するようになることも、あるかもしれません。