人間は笑ったり怒ったり悲しんだりと、さまざまな感情を表現しながら生きています。心情は日々の生活の中やちょっとしたできごとで移り変わるものですが、あまりにも感情が偏りすぎるとストレスになったり、いきすぎれば病にまで発展してしまいます。
ここでは、その喜怒哀楽に対してどのような変化が体に起きるかを東洋哲学の観点から紹介したいと思います。

喜んでばかりはいられない

喜びとはいいことのように感じますが、それもいきすぎれば気のゆるみに発展します。喜びが過度になると心に影響が。心は神をつかさどる器官です(神と言っても東洋医学においては「神気」のことで、五臓六腑を支配している気のこと)。
喜びは幸せな気分にしてくれますが、それも過ぎれば心がゆるみ、その結果として血管もゆるみだします。また、集中力が減退したり注意力がかけることにつながります。

怒ってばっかりは頭に血がのぼる

怒りはイライラしたときにおこる感情です。過度に怒りが発生すると肝に影響が出ると言われています。肝は魂をつかさどる器官です。大量の血液が運ばれる肝に影響がでると、血が上部に集中するため、“めまい・頭痛・目の充血”などの症状がでてきます。
怒ると頭に血がのぼるとは、このようなことからも表現されているのです。

悲しんで意気消沈……

悲しみは心も体もしぼませてしまいます。過度な悲しみは気が消えやすくなり、肺に影響を与えていきます。肺は気をつかさどる器官です。悲しむことで気が滅入り、いきすぎれば呼吸も少なくなり、息切れ、声が出ないなどの症状が出てきます。
無気力や脱力感に襲われ、まさに意気消沈となってしまいます。

怖がってばかりは老けやすい

なにごとにもビクビクと怖がりな人は、老けやすい体質になってしまうかもしれません。恐れは腎との結びつきがあります。腎は精と志をつかさどり、膀胱に影響を与えていきます。精が弱まることで体の力がゆるんできます。失禁、流産など下腹部の力も弱まることに。
さらに、記憶力が低下したり、骨粗しょう症、白髪や抜け毛が増えるなど、体が老化しやすくなります。

思い悩むと食欲低下につながる

嫌なことがあると食が喉を通らない……そんな経験をしたことがある人も多いと思います。思い悩むと気が凝りかたまりやすく、脾(ひ)に影響を与えていきます。脾は胃との関係が深く、気分が停滞してくると消化吸収が弱まり、食欲不振になります。食べることができたとしても、胃もたれや下痢といった症状が出てくることも。

心と体はつながっている

喜びや悲しみ、怒りといった感情は誰にでもあるもの。その大きさは人それぞれで、お互いを比べることはできません。しかし、気持ちに流され続け浸り続けていると、思わぬ病に見舞われてしまうことになりかねません。
偏りがちな心に体が支配されないように、いつでも喜怒哀楽のバランスのとれた生活を心がけるといいかもしれませんね。