モテ車を解説する「週刊ポスト」連載の「死ぬまで カーマニア宣言!」。これまでにクルマを40台買ってきたフリーライター・清水草一氏(54)が、中高年に人気が高いアルファロメオについて解説する。

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 ご同輩諸君。先日、読者様よりこんなお便りをいただいた。

「昔からアルファロメオに憧れていますが、イタリア車なので故障が怖くて手が出せません。アルファロメオなら美女はメロメロだと聞いたのですが、本当でしょうか?」(群馬県・59歳)

 アルファロメオ。確かにその名からして美女がメロメロになりそうである。クルマがメロメロで故障しまくりそうにも感じる。そこで、実際どうなのかを確かめるため、美女(アリサ・26歳)を乗せて実験してみた。

 モデルはジュリエッタ(370万円〜)。VW・ゴルフくらいの大きさの実用的なハッチバック車だが、ゴルフと大違いなのは、メロメロに女性的なボディラインを持っていること。美女がメロメロというよりオッサンがメロメロだ。だいたいジュリエッタという車名からしてメロメロに色っぽい。果たして美女はどう反応するか?

アリサ「とってもステキなクルマですね!」

 第一印象は上々のようだ。

アリサ「シートの革の茶色もいい感じです!」

 さすがイタリア人の作るインテリアは超絶オシャレである。我々日本人は逆立ちしてもかなわない。

 私は過去、アルファロメオに2台乗った。最初に買った155は1995年式。この頃はまだ多少故障することがあり、私のも2度、電動ファンが回らなくなってオーバーヒートした。

 一度は葬式に向かう途中の首都高のトンネルの中だったので往生したが、そのまま30分ほど待ち、水温が少し下がったのを見計らってエンジンを始動、なるはやで次の出口で降りて駐車場に入れ、タクシーで葬式に直行。戻った時にはウソのように直っていた。アルファロメオの電気系統は、女心のようにじつに気まぐれであった。

 故障が多いアルファロメオはその頃が最後で、現在はまったくそんなことはない。走っていても故障する気配は微塵もない。これまでずいぶん故障するクルマに乗ってきたので、私はそのクルマが故障するかどうか気配でわかるのである。ジュリエッタでそのまま温泉に直行。美女は終始ご機嫌であった。

アリサ「やっぱりいいクルマで迎えに来てくれれば、それなりに嬉しいです!」

 うーむ、「それなり」止まりか。アルファロメオでメロメロになるのは、美女よりもやはり我々オッサンのようだ。実を言えば現在のアルファロメオは、乗り味が本当にフツーになった。故障する気配はないが、カーマニア的な面白味も薄味になっている。

 もし貴兄がイタリア車の楽しさを存分に味わいたいなら、このジュリエッタより、同じディーラーで売られているフィアット・500ツインエア(229万円〜)をオススメする。2気筒ターボエンジンはアイドリングでは素朴にドコドコ回り、アクセルを踏み込むとビイィィィィィーンと情熱的に回って最高に楽しい。これぞ真のイタリアン!

 見た目も超かわいらしく、「オジサマって、カワイイ〜(はあと)」と言ってもらえる予感がするのだが、どうだろう。

※週刊ポスト2016年5月6・13日号