「考えてみろ。宮崎駿先生はスタジオジブリという会社でトトロやラピュタ、紅の豚を作った」
大野智演じる鮫島社長が、いきなり宮崎駿について一席かましはじめる。
『世界一難しい恋』愛称セカムズの主人公は、恋愛音痴の大社長。
新入社員の芝山美咲(波留)に恋をしてしまったのだ。


芝山美咲は、すばらしいホテルの経営者として社長を尊敬しているが、恋愛の対象だなんて露ほども思っていない。
「俺が鮫島ホテルズで五ヶ所のホテルを運営していることと状況いっしょだ」
「いっしょではないと思いますが」といつも冷静、小池栄子演じる村沖秘書
「ま、もちろんスタジオジブリが好きな客もいるが大半は個々の作品すなわちそれを作った作者を愛してんだ」
鮫島社長は、結論に達する。
「つまり、俺が手掛けたホテルを愛してやまないヤツは、俺のことも愛してやまないことになる」
だから、芝山美咲は、自分を愛しているのだ、と。
呆れながら秘書村沖「では、社長から気持ちを伝えれば成功間違いありませんね」

そう今回の小池栄子さんからのありがたい恋愛指南はコレだ。
「恋愛とは好きになるか好きになられるか、どちらかからしか始まりません。好きになった方は恋が勝手にスタートしますが、好きになられた方は相手に気持ちを伝えられなければ動きようがありません。相手の気持ちにスイッチを入れるためにも伝えなければなりません、社長の気持ちを」
相手に自分の気持ちを伝えよ!
相手に自分の気持ちを伝えよ!
相手に自分の気持ちを伝えよ!
基本なので三回書いてみました。
だが、鮫島社長は、それができない。
だからこその暴走ぎみの「宮崎駿大好き理論」であった。
「そんなリスクをおかす必要はない。俺がこれまで通り真面目に働いていれば、むこうからあふれる気持ちをぶつけてくる」

と言って、仕事のペースをあげて、バリバリ働きはじめるのだ。
完全に間違った方向に突っ走る恋愛に向かない男のやりそうなパターン!
だが、新ホテル来年度オープンをめざして、ひとりでホテルの選定をするのだから、突っ走り方が半端ない。
ターゲット フルスピード ツーマンス!
半端ないが、恋愛がうまくいくわけじゃない、もちろん。
「この方法は本当にあってるのか?」
ようやく気づく。
「いまからでも遅くありません。好意を抱いていることを伝えるべきです」

そして、告白シーン。
暮れる陽の光を受けて、めいいっぱいのいい顔で告白する大野くん。
振り向きざまの「好きなんだ!」
キメ顔。
「嬉しいです」の返事。
安心する顔の大野くん。
って書くと告白成功したようだが、そんなことはない。
こんなにも、トンチンカンで、伝わらない告白があるだろうか。
恋愛音痴の男性は泣きながら、それ以外の人は爆笑しながら、観るがよろし。

恋愛のすれ違いを、きっちりとコメディとして構成するディテールと伏線。
それを支える大野くんの顔芸とキャラの確かさとキュートさ。
視聴率も、第1話12・8%→第2話12・9%→第3話13・1%とじわじわ伸びてきました。
ラブコメの王道を突っ走る傑作ですなーと思っていたら。

ラスト、誰からも傷付けられない場所に出張にでた鮫島社長。
そこに現れるのは、ライバルの和田英雄社長(北村一輝)。
古代ローマ人を映画『テルマエ・ロマエ』で演じた濃い顔だ。
さらに超プレイボーイの嫌なヤツって役柄で、鮫島社長と対立する悪役的配置だと思っていたのだが。
その和田社長と、あんなことに、あんなことに!
ベタで、判りやすいどストレートなラブコメだと思っていたけれど、これは、一筋縄でいかないドラマですぞ。

『世界一難しい恋』は、日本テレビで毎週水曜よる10時放送。
日テレ無料TADA!で最新話見逃し配信中。(米光一成

最後に、「好きだって告げるのは恥ずかしくてできない」とお嘆きの男性に。
小池栄子さんのセリフをお届けしましょう。
「恥ずかしさを乗り越えていただくしか方法はありません!」
(米光一成)