「サラリーマンの聖地」と呼ばれる街・新橋に、優しい女将さんと猫たちが出迎えてくれる居酒屋「てまり」があります。烏森神社のすぐ近くに居を構える同店は、カウンターがメインの作りで、お客さんとお店の人の距離が近いアットホームな雰囲気が魅力です。店へと続く細い路地を歩いていると、目の前を猫がスタスタ。この辺りはノラ猫も多いようです。

今回は知る人ぞ知る、猫がいる居酒屋「てまり」を紹介いたします。

■「てまり」の看板猫たちを紹介

お店に到着したのはまだ夕方5時前。「これから開店準備なんですよ」と優しく出迎えてくれた女将さんに案内されて店の奥へと進むと、カウンターや座敷でくつろぐ猫たちの姿が飛び込んできます。

ほかの猫たちが「誰だニャ?」と警戒する中、真っ先に寄って来てくれたのは、お店の猫の中で一番人懐っこいチマちゃんです。

悠々と食事を楽しむこちらの猫、実はお店の猫ではないのだそう。女将さんいわく「近所の猫も自由に来てご飯を食べにきたりするんですよ」とのこと。「てまり」には人間だけでなく、猫のお客もその日ごとに入れ変わり立ち変わるようです。

まだ2歳のコツブちゃんは、こちらが気になって仕方がない様子。店内を走り回っては筆者の方をチラッ、チラッと見てきました。

視線を感じて振り向くと、キリッとした美形のミンチョくんが。女将さんから「普段はあまり人前には出てこないのよ、珍しいね」と言われ、嬉しさ倍増です。無邪気でかわいいコツブちゃんと落ち着いたミンチョくんは、兄妹だそうです。

■教えて! お店のオススメメニュー

「てまり」のカウンターには、毎日お惣菜の大皿が並びます。「まだ準備中だから、もうちょっと増えますよ」と女将さん。今回は準備中にお邪魔したため、写真に写る品数は通常より少ないのですが、いつもはこのほかにも焼き魚や前菜が並びます。

この日は旬のそら豆やタケノコ、ボリュームたっぷりの肉豆腐や五目卵が並びました。内容は日替わりで、必ず旬の食材を取り入れているのだそう。「ホッケを焼いたりサバを焼いたりね、普通の料理が多いかな」と話す女将さんが作る、どこか懐かしい家庭料理が同店の魅力です。

■「てまり」が“猫のいる居酒屋”になるまで

場所柄、もともとサラリーマン客が多いという「てまり」。しかし最近はインターネットで「てまり」を知ったという、猫が目当てのお客さんが多いのだとか。特に女性の1人客がとても増えたといいます。

そんな「てまり」の初代猫は、お店が新橋へ移転後まもなく訪ねてきた1匹のノラ猫・ピーちゃんです。それから30年以上たった今では、猫の数は8匹に増え、みんなお店の一員として日々、お客さんの相手をしています。

人間はもちろん、“猫”も立ち寄る居酒屋「てまり」。お仕事でクタクタに疲れた日には、温かい家庭料理と女将さんの笑顔、そして猫たちに癒されに行ってみませんか。

■てまり家庭料理

住所:東京都港区新橋2-9-11
アクセス:JR新橋駅日比谷口から徒歩2分
定休日:日曜日
営業時間:17時30分〜24時

(浜松そまり/フォルサ)

今回を持ちまして「猫好きのためのおでかけ情報」は最終回となります。
今までご愛読いただきましてありがとうございました!
またどこかでお会いしましょう♪