完璧をめざす人ほど仕事で伸び悩む!?完璧主義を手放して自分らしく働く方法とは

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頼まれた仕事はすべてテキパキこなし、いつも笑顔で人間関係も良好…そんな姿は、働く女子として理想的。自分もそうなりたいと、なにもかも完璧にがんばろうとする人もいるかもしれないけれど、「完璧主義になると、自分に対して減点する癖がつくこともあります」と、働く女性にアドバイスする書籍を数々執筆してきた有川真由美さんは話す。

「すべてを完璧にこなすことを目標にすると、うまくできないことがあるたびに『私、ダメだった』と、自分を減点してしまうことになります。すると、完璧にできないことは進んでやろうとしなくなり、新しいことにチャレンジしにくくなる場合もあります」(同)

がんばっている自分に減点ばかりしてしまうのはつらいことだし、チャレンジに二の足を踏むようになったら成長もできなくなってしまう。そんな完璧主義な考え方を見直すためにはどうすればいいのか、そのヒントを教えてもらおう。
◆できないことは助けてもらう

完璧をめざす人は、うまくできないことがあると、できるようになろうと努力する。それ自体は決して悪いことではないけれど、不得意なことができるようになるには、得意な能力をさらに伸ばす努力の何倍も労力がかかるのだとか。場合によっては、できないことを無理にやろうとすることで、周囲に迷惑をかけてしまう可能性も。

「仮に、努力の末に不得意なことができるようになっても、もともと得意な人にはかないません。できないことは素直に『できない』と言う勇気を持って、得意な人に助けてもらいましょう。代わりに自分の得意なことにより多くの時間を割き、周りを助けてあげると、仕事がうまくいくはずです」(同)

◆失敗は“学び”と考える

なにもかもノーミスでやり遂げようとする完璧主義にこだわると、失敗を必要以上に恐れてしまい、仕事に対する積極性が失われることに。失敗は“学び”になるものだと、考え方を切り替えると、失敗を過剰に恐れることはなくなるはず。

「失敗は、どうしたらもっとうまくいくのかを学ぶ絶好の機会でもあります。だからこそ恐れずに『今、気付いてよかった』と、そこから学んで成長する気持ちを持つといいでしょう」(同)

◆後悔は“時間の無駄遣い”と心得る

有川さんによれば、失敗を恐れないためのもうひとつのコツが、決して後悔をしないこと。失敗するたびにくよくよしていると、どんどん失敗を恐れるようになってしまう。しかも、後悔してもなにも解決しないばかりか、過去に気をとられてしまうために現在や未来のことがおろそかになり、さらなる失敗を招く場合もあるそう。

「後悔して得られるものはなにもありません。“時間の無駄遣い”と考えてすぐにやめましょう。そうした考え方で気持ちを切り替えられるようになれば、もし失敗をしても、立ち止まることなく前進できるようになります」(同)

どんなに全力を尽くしても、人間は誰しも失敗するもの。くよくよせずに、失敗を成長の糧に変えたほうが、自分の力をいかんなく発揮できるようになるはず。そんな風に、自分らしく働くことをめざして、完璧主義を手放してみよう。

有川真由美
作家・写真家。化粧品会社事務、塾講師、科学館コンパニオン、衣料品店店長、着物着付け講師、ブライダルコーディネーター、フリーカメラマン、新聞社広告局編集者など、多くの職業経験を生かして、働く女性のアドバイザー的な存在として書籍や雑誌などに執筆。46か国を旅し、旅エッセイも手がける。著書は『「働く女(ひと)」の77のルール』『いつも仕事がうまくいく女の41のリスト』(以上、PHP研究所)ほか多数。5月27日に『「がんばる」を手放すための本』(河出書房新社)を発売予定。