大野智は“あえて棒読み”、前田敦子はエロさ爆発【春ドラマ総評 火・水編】
【今からでも間に合う! 注目の春ドラマ 火・水編】

 いつも以上の力の入りっぷりが目立つ、この春の深夜ドラマ。松田翔太、前田敦子、栗山千明(『不機嫌な果実』/テレビ朝日)、ユースケサンタマリア(『火の粉』/フジテレビ)など、ゴールデンタイムの主役クラスが名前を連ねている。どの作品も深夜らしい質感、映像なのだが、その時間帯に放送しておくにはもったいないレベルだ。

 そんな深夜ドラマを中心に、週の半ばの作品をドラマ好き歴20年のライター・スナイパー小林が、愛を持って総評する。

◆実は慎吾ちゃんが影の主役(笑)

ディアスポリス-異邦警察-
(TBS/火曜25時11分/出演・松田翔太、柳沢慎吾)

 国から認定を受けられない貧しい密入国外国人たち。彼らが独自に銀行や病院、異邦警察(ディアポリス)のある秘密組織・通称「裏都庁」を作り上げる。その警察署長は国籍不明の男・久保塚早紀(松田翔太)。彼らに待ち受ける事件とは?

 怪しげで楽しそうな設定だと思ったら、マンガ原作。1話から銀行員の鈴木(浜野謙太)が指名手配、落とせると思った日本人女性に騙されて腎臓を取られる事件が勃発と、無茶ぶり感が見ていて爽快。何より芸能界のキラーチューンと勝手に崇拝する柳沢慎吾が移民役で出演して、いい味をかもし出している。松田翔太の役名が「久保塚早紀」って、ああそうか「異邦人」(作詞・作曲:久保田早紀)か…と気づく人がどれくらいいるのか……。

◆大野くんの天才肌に脱帽

世界一難しい恋
(日本テレビ/水曜22時/出演・大野智、波留、小池栄子、北村一輝)

「鮫島ホテルズ」の若き社長・鮫島零治(大野智)・34歳は、偏屈な性格が仇になって未だに独身。そんな彼が恋をしたのは、中途入社の柴山美咲(波留)だった。まともな恋愛経験ゼロの零治が周囲の協力を得て、美咲にアタックしていくラブコメディ。

 空振り続きの零治の片思いぶりは見ていてクスッと笑ってしまうシーンの連発。また、秘書役をやらせたら日本一なんじゃないかと思う小池栄子(村沖舞子役)が、ピリッとした恋愛アドバイスで鮫島を支える姿もいい。第1話終了後、「大野、セリフ棒読み」と話題になったけど、彼の演技力はTBS系『魔王』(2008年)、フジテレビ系『鍵のかかった部屋』(2014年)で立証済み。屈折した役どころを理解して、あえての棒読み風なのだと推測。

◆あっちゃんの演技は素のエロス!

毒島ゆり子のせきらら日記
(TBS/水曜24時10分/出演・前田敦子、新井浩文)

 毒島ゆり子(前田敦子)はあけぼの新聞政治部で、大物政治家・黒田田助のいわゆる番記者。常に二股をかけ続ける超がつくほど恋愛体質のゆり子には「不倫をしない」というルールがある。ただ、あけぼの新聞のライバル社・共和新聞の小津翔太(新井浩文)だけは既婚者なのに心から離れず、ついに彼に抱かれてしまう。

 とにかく前田敦子がエロい。4年同棲している彼氏を下着に香水つけて待っている仕草や、何気ない食べるシーンなど、女性が見てもドキドキする。数年前に俳優との飲み会で酔って、大泣きするところを撮られたあっちゃん。衝撃的すぎてその残像が消えなかったけど、この作品でそこを超えた感じがする。開き直って迫ってくるエロさから目が離せない。

<TEXT/スナイパー小林>
【スナイパー小林 プロフィール】
ドラマ解説、芸能、恋愛、カルチャー、美容・健康ネタ好きのライターであり、編集者であり。執筆や編集を手がけた媒体は100冊以上。約20年以上ドラマをこよなく愛し、ついには趣味が仕事になった幸せ者のアラフォー。Twitter:@hisano_k