世界的な問題となりつつある糖尿病(画像はWHOが公開している糖尿病インフォグラフィックより)

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世界保健機構(WHO)は、2014年に世界の糖尿病人口(成人の糖尿病有病者)が4億2200万人と、調査を開始した1980年の1億800万人から約4倍に膨れ上がり、他の疾患に比べ劇的に増加しているとする調査結果を発表した。このまま有効な対策を実施しなかった場合、2025年には7億人を突破すると警告している。

今回発表された、糖尿病に関する世界的なレポート「Global report on diabetes」によると、性別にみた有病率は、男性が1980年の4.3%から、2014年は9%に、女性は5%だったから7.9%に上昇。有病者の50%が、中国、インド、米国、ブラジル、インドネシアの5か国に集中している。

先進国に限らず途上国でも増加傾向にあり、特に医療格差が大きい低所得の途上国では、糖尿病患者の半数近くが適切な治療を受けられず、糖尿病が原因で死亡しているという。

なお、2012年までの統計では、糖尿病が原因で死亡した人は150万人、糖尿病は発症していないが、高血糖によって心血管疾患を発症し死亡した人は220万人。こうした死亡者の半数以上が70歳以下で、糖尿病が早死のリスク因子になっていた。

調査対象となった糖尿病には1型、2型、妊娠糖尿病と、すべてのタイプの糖尿病が含まれているが、増加が著しいのは2型糖尿病で、従来は患者数が少ないとされていた子どもや若年層にまで拡大。その理由として、WHOは肥満の増加をあげている。

調査結果を受け、WHOは、糖尿病は健康的な生活習慣と検査で予防可能で、発症しても治療薬さえ利用できれば死亡は防げるとし、「糖尿病を早期発見し治療に取り組むための検査法の拡充や、高価になりがちなインスリン製剤のコストを抑えるなど、世界的に糖尿病対策に取り組む必要がある」とする提言を発表した。

発表は「世界保健デー」にあたる2016年4月7日、WHO公式サイトに掲載された。

(Aging Style)