不足する栄養素のサプリメントを次々に拾い上げる管理栄養士の矢島南弥子さん

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牛丼、ラーメン、ハンバーガー...ファストフードが大好きなJ-CASTヘルスケア記者(20代男)。特に酒を飲んだ後のシメには最高だ。一方で、何となく「体に悪そう」なイメージがつきまとう。だがマラソンやサッカーで体を動かしているし、至って健康なので、欲望のまま今日もガッツリ食べている。

そんな折、「FAST FOOD AID(ファストフードエイド)」というショップが東京都内に開店すると聞いた。ファストフードを購入したレシートを持参すると、「3食とも同じメニューだった場合に、1日で不足する栄養素」を教えてくれるうえ、不足分の栄養素を補給できるサプリメントが無料でもらえるという。自分の食事は栄養面ではどうなのか、確かめに行ってみた。

亜鉛に鉄分、カルシウム、ビタミンB、C、D、Eに食物繊維...

持参したレシートは、昼に食べた某チェーン店の弁当だ。中身はハムカツ、ウインナー、焼肉と3拍子そろった一方で、野菜はゼロ。

ショップで、東京都栄養士会栄養ケアステーション登録管理栄養士の矢島南弥子さんに弁当の写真を見せた。矢島さんは、

「茶色いですね...」

と言うと、おもむろに不足する栄養素を指摘し始めた。

「亜鉛に鉄分、カルシウムが足りません。野菜やイモ類にも入っているビタミンC、青菜の野菜に含まれる葉酸、それにビタミンB群も全体的に不足しています。ビタミンD、E、食物繊維も不十分ですね」

そう言いながらピンセットで次々に拾い上げたサプリは、計10種類・19粒に及んだ。これを毎日飲まないと、栄養のバランスがとれないのか......。

かろうじてビタミンB12が十分とれていたのは不幸中の幸いだ、と思ったのも束の間、「ビタミンB群は互いに関係し合って糖質、脂質、タンパク質を代謝するので、B12だけでは不十分なのです」と指摘されてしまった。

矢島さんによれば、ファストフードは「栄養バランスが糖質と脂質に偏っているものが多い」そうだ。食べて摂取した糖質や脂質を体内でエネルギーに変えて消費するには、ビタミンとミネラルが不可欠。「これらが不足すると、いくら食べても疲れやすくて太りやすい『新型栄養失調』のリスク要因になります。他にも、たとえば食物繊維が足りないと脂質の一種であるコレステロールが十分に排出されず、動脈硬化につながりかねません」と警鐘を鳴らす。そういえば最近、上り坂がちょっと苦しくなったかもしれない...。

「ファストフードを食べるな、というわけではありません」

「それじゃあ、ファストフードはやめなきゃダメ?そんな簡単にやめられたら苦労しないんですけど」

記者の心の嘆きを知ってか知らずか、矢島さんの口からは意外な言葉が飛び出した。

「ファストフードを食べるな、というわけではありません。大事なのは、食事の内容を振り返ること。『昼食はラーメンだったから、夕食は脂質の少ない蒸し鶏にしよう』とか、次以降の食事で足りない栄養を補えば大丈夫です。1日の間でなくても、3日とか1週間のスパンで、栄養バランスがとれるようなサイクルをつくりましょう」

これは良いことを知った。早速振り返ってみると、普段ランチは「ガッツリ系」の食事が多いが、帰宅後にほぼ毎晩、キャベツ4分の1玉(約350グラム)を食べている。

ただしキャベツだけでは、十分な量を食べていても鉄分やカルシウムが不足するので、緑黄色野菜が必要だという。「トマトやブロッコリーならそんなに手間もかからずに食べられるのでおすすめです。キャベツにパプリカを入れてサラダにするのもいいですね」(矢島さん)。また、「1日30品目」という言葉もあるように、意識して多くの食材を食べることで栄養の偏りがなくなっていくという。帰りにスーパーで爆買いだ。

「FAST FOOD AID」は東京・神宮前の特設店舗で、ゴールデンウイークの2016年5月4日まで開かれている。