訪れたくなる。職人が語る「波佐見焼」400年の歴史と魅力

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この記事は2015年9月25日からピックアップ、再編集したものです。


近年、若者を中心に人気が高まる波佐見焼。400年以上の歴史がありますが、全国的に名前が知られるようになったのはここ数年。歴史はあるけれど、まだまだディープなところが知られていない波佐見焼の魅力に迫って見たいと思います。

波佐見焼の産地、波佐見町とは?


長崎県のほぼ中央、長崎県東彼杵郡波佐見町。海に囲まれている長崎県の中で唯一海がない市町村です。すぐお隣が全国的に知られている有田焼の産地、佐賀県有田町。年間の観光客は80万人、そのうち春の陶器市で約30万人が訪れます。

町には150件ほどの窯元・商社があり、3〜4割の人が何かしらの焼物業に従事しているとのこと。数字にすると多く感じますが、全盛期には約7割の人が従事していたこともあり、縮小しているのが現状です。

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波佐見焼の特徴は?


有田焼には繊細で華やかな絵付、九谷焼は赤・黄・緑・紫・紺青の「五彩」とよばれる5色で彩る彩法など、それぞれの産地には特徴があります。しかし、波佐見焼は「特徴がないのが、波佐見焼のよさ」と波佐見町観光協会の山下雅樹さんは言います。

「形にはまった技法がないため、時代にあった焼物が作れる。それが最大の強みとなっている」とのこと。確かに形や柄だけで波佐見焼を判断することは難しく、大小さまざまな形があり、昭和初期のレトロな柄や北欧風の柄などバラエティー豊かです。

また、日常食器として誕生した波佐見焼は、高級だった陶磁器のイメージを払拭。手ごろで良質な「おうち食器」として多くの食卓で使用されるようになりました。

いろいろな表情を持つ手ごろな陶磁器ということが、老若男女さまざまな人に愛されている理由なのでしょうね。

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波佐見焼はどのようにできてる?


波佐見焼はひとりの職人さんがひとつのモノを作り上げるのではなく、分業制。つまり、器の原型ともなる「石膏型」をつくる人、その型をもとに「生地」を作る人、そして生地から商品になるまでの焼成を行う「窯元」と、各それぞれのプロフェッショナルの人々が分業して作る独特の仕組み。いわば、町全体がひとつのチーム。それゆえに、出来上がった焼物は団結力の賜物というわけです。

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「分業の文化が根付いており、町全体の連帯感がよい。でも、閉鎖的ではなく外から来る人もWELCOME。そこが波佐見の最大の魅力です」と語る山下さん。たしかに、ものづくりの現場に多い“伝統を守り続ける昔ながらの職人気質”というより、ほっこりとしたやさしい時間が流れる場所。そして、その雰囲気と同化するように、柔軟に文化が受け継がれている様は、訪れる人を心地よくします。

波佐見町観光協会の山下雅樹さん波佐見町観光協会の山下雅樹さん

山下さんにここ数年の人気の秘訣を聞くと「時代にあったものづくりが、若者を中心に受け入れられているのでは。また、近年は作成するパンフレットやポスターのターゲットを女性に絞り、やさしい色や女性向けのデザインを採用している。新しいパンフレットを作る際の選考会に男性は入らず、女性の意見を優先している」とのこと。やはり財布を握るのは女性のよう。その戦略も、ここ数年の人気の起爆剤になっているようです。

現在は「波佐見焼」のブランドを確立するため、今治タオルが商品保障するブランドロゴを作成しているような、波佐見焼ブランドロゴのプロジェクトを進行中。お披露目される日も近いようです。

波佐見町観光協会[official website]