日本や中国が受注を狙うマレーシアの首都クアラルンプールとシンガポールを結ぶ高速鉄道(HSR)計画がにわかに注目を集め始めている。中国メディアの今日頭条はこのほど、日本が新幹線の売り込みを加速させているとして、警戒心を示す記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本や中国が受注を狙うマレーシアの首都クアラルンプールとシンガポールを結ぶ高速鉄道(HSR)計画がにわかに注目を集め始めている。中国メディアの今日頭条はこのほど、日本が新幹線の売り込みを加速させているとして、警戒心を示す記事を掲載した。

 マレーシアのリオウ・ティオンライ運輸相は4月29日、クアラルンプールで行われたシンポジウムの席で、シンガポールとマレーシアの首都クアラルンプールをつなぐ高速鉄道計画は、マレーシアとシンガポール両国の覚書締結という前提のもと、早ければ2016年6月にも入札者の募集が行われる可能性があると述べたという。

 記事は、シンポジウムでは国土交通省副大臣の山本順三氏が新幹線の安全性をアピールしたと紹介。またマレーシアのティオンライ運輸相自身も、新幹線は開業以来衝突事故や乗客死傷事故がないとして、新幹線を高く評価、「高速鉄道は安全性が何よりも優先される」、「HSRは新幹線のように快適で時間に正確である必要がある」との見方を示したと伝えた。

 日本がアピールしたのは安全性だけではない。記事は、国土交通省の関係者が「新幹線のライフサイクルの長さ」は長期的に見ればコストを抑えるうえで有利であることを指摘したほか、省エネやメンテナンス費用が少なくてすむため、運営コストを抑えることができることなどを説明したと伝えた。
 
 中国側は自国の高速鉄道に対して、建設コストが新幹線に比べて圧倒的に安いと主張、その価格優位を積極的にアピールしている。

 だが、高速鉄道という数十年単位でのコストを考える必要のあるインフラにとって、考慮すべきコストは決して建設費だけでなく、ランニングコストも非常に重要であることが分かる。新幹線の安全性や信頼性は中長期的に見ればランニングコストの削減につながるものであり、これは中国高速鉄道の敵わない点であるはずだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)