福山雅治の美しさはダメ男でこそ映える【春ドラマ評  月・火編】
【今からでも間に合う! 注目の春ドラマ 月・火編 】

 2016年春ドラマが始まった。今クールをひと言で総評するなら、「ドラマが楽しい」。刑事モノや医療モノに偏ったとある時期に比べると、恋愛もサスペンスもホームドラマも詰まったバラエティ豊富なラインアップ。中盤戦に入る前にドラマ好き歴20年のライター・スナイパー小林が月曜の放送から順に総評する。

◆それでも福山雅治は美しい

ラブソング
(フジテレビ/月曜21時/出演・福山雅治、藤原さくら、夏帆)

 音楽という夢を失った臨床心理士の神代広平(福山雅治)が出会ったのは、亡くなった恋人を思い起こさせる、奇跡の歌声を持った佐野さくら(藤原さくら)。彼女の吃音(きつおん)を克服するために協力する広平に、さくらの恋心が芽生えていくというラブ&ヒューマンドラマ。

 マシャが金なしのだらしない役という時点で萌え。彼にはかつてTBS系『ホームワーク』(1992年放送)で演じたヒモのようにダメ男が似合うと思っているのは私だけだろうか。今回そのダメマシャを支えるのは水野美紀、ライバルは23歳年下設定のさくら。恋の行方を考えるとワクワクしてくる。脚本は第26回ヤングシナリオ大賞を受賞した倉光泰子。こちらも期待。

◆夜の“朝ドラ”で元気を出そう

重版出来!
(TBS/火曜22時/出演・黒木華、オダギリジョー、坂口健太郎)

 大手出版社の新入社員・黒沢心(黒木華)が配属された先は『週刊バイブス』。早く編集者として一人前になりたいと奮闘する心と、青年マンガ雑誌で売り上げ一位を目指す編集部の物語。

 この手の熱血モノは演じる側のテンションがうるさくなる傾向が高い。そこを感じさせずにすんなり視聴できるのは、原作とのズレを1ミリも感じさせない心と黒木華のシンクロ率だ。真っ直ぐすぎる主人公がまんま原作から飛び出してきた感じ。この女優さんはホント、何をやっても嫌味がないと感心する。

 ドラマ内、第2話の営業部部長から出た「俺たちが売っているのは本だが相手にしているのは人だ」のひと言や、心の座右の銘「精力善用・自他共栄」などグッとくるセリフも多いので仕事に疲れ、迷う人はぜひ。

◆女の執念がメラメラと燃えたぎる

僕のヤバイ妻
(フジテレビ/火曜22時/出演・伊藤英明、木村佳乃、相武紗季)

 家庭の息苦しさから愛人(相武紗季)と協力して妻の殺害を企てる望月幸平(伊藤英明)。ただ、資産家の令嬢で美しく控えめな妻の真理亜(木村佳乃)は、初めから夫の陰謀には気づいていた。夫への願いが叶わなくなったことを知った妻が壮絶な復讐を実行するサスペンスドラマ。

 1話からいきなり妻が誘拐事件に巻き込まれて先行きを心配したが、今後は妻・真理亜のとんでもない醜態がさらされていくという展開は楽しみでしかない。前クール放送のサスペンス『ナオミとカナコ』ロスになっていた視聴者にとっては期待のホープ作である。

 木村佳乃はここ最近バラエティ番組で芸人つぶしの活躍を見せながら、ドラマでは悪女と振り幅がとんでもなく広すぎて目が離せない存在だ。さらにドラマには同じく悪女ぶりを発揮する、愛人役の相武紗季が登場する。彼女は同局で2009年に放送された『ブザービート〜崖っぷちのヒーロー〜』から悪女が板につきすぎて見ていて気持ちよい女優さんのひとりだ。その二人に挟まれて、頑張れ伊藤くん!

<TEXT/スナイパー小林>
【スナイパー小林 プロフィール】
ドラマ解説、芸能、恋愛、カルチャー、美容・健康ネタ好きのライターであり、編集者であり。執筆や編集を手がけた媒体は100冊以上。約20年以上ドラマをこよなく愛し、ついには趣味が仕事になった幸せ者のアラフォー。Twitter:@hisano_k