中国経済の減速をよそに、訪日中国人観光客が増え続ける一方で、訪中する日本人は減少。アンバランスが目立っている。資料写真。

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2016年4月30日、日本を訪れる中国人観光客が増え続けている。昨年は年間500万人に迫り、今年1〜3月も過去最高を記録した。中国経済の減速をよそに、「爆買いツアー」の勢いは衰え知らずのように見える。その一方で、訪中する日本人数は、日中関係の悪化などを背景に減少の一途をたどり、昨年は訪日中国人数の半分にとどまった。

日本政府観光局によると、15年の訪日外国人観光客数は、前年比47.1%増の1973万7400人で、14年の1341万3467人を大幅に上回り、3年連続で過去最高を更新した。国・地域別では、中国の499万人がトップで前年比107%増にもなった。

こうした傾向は今年になってからも続き、訪日中国人数は1月が前年同月比110.0%増の47万5000人、2月は同38.9%増の49万8900人、3月も同47.3%増の49万8100人と推移。いずれの月も過去最高になった。

中国社会科学院財経戦略研究院と中国社会科学院観光研究センターなどは18日、「2015〜2016年中国の観光発展についての分析と予測」(通称・観光緑書)を発表。その中で「中国が日本の最大観光客源国となった」と胸を張った。

JTBが発表した16年の旅行動向見通しによると、訪日外国人は前年比19.0%増の2350万人と過去最高を更新する。熊本地震などの懸念材料もあるが、このままのペースが保てれば、中国人観光客数が昨年を大幅に上回るのは確実だ。

中国の日本旅行ブームは米国でも評判になり、参考消息網によると、ロサンゼルス・タイムズは「中国人の日本に対する見方」に関する記事を掲載した。同紙は「15年の訪日中国人は前年の倍の500万人に達したが、両国関係の亀裂がくっついたというわけではない」と説明し、日中間に敵対感情が存在していることや中国メディアが旧日本軍の残虐な行為を繰り返し報じていることなどを指摘。

その上で、「買い物に熱中する中国人はこのすべてを忘れることができる」として、北京大学で投資学を教えるジェフリー・トーソン教授の「日中関係を支える柱は観光と敵対感情」との皮肉めいた言葉を紹介している。

これに対し、中国・国家観光局(国家旅遊局)によると、15年通年で中国を訪れた日本人は前年比8.1%減の249万7700人。訪日中国人の半数だ。減少は5年連続で、10年の373万1200人と比べると100万人以上減った。

その理由について、中国メディアは「周辺国からの観光客受け入れは政治的、経済的な問題に左右される。日本からの観光客が縮小傾向にあるのは主に両国の関係が影響しているだろう」と分析。さらに「政治的な緊張だけでなく、中国の深刻な大気汚染や食の安全問題が日本でも大きくクローズアップされたため、日本人旅行客が中国を訪れることを避けている可能性がある」とも指摘している。(編集/日向)