盗んだバイクで逃げ帰る〜♪ マフレズがスコットランドでのトライアル逃走秘話を明かす

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▽レスター・シティに所属するアルジェリア代表MFリヤド・マフレズが、無名時代の興味深いエピソードを明かした。フランス『レキップ』が伝えている。

▽今シーズン、首位レスターをけん引する主力の1人として活躍するマフレズは、先日にイングランドプロサッカー選手協会(PFA)選出の年間最優秀選手賞に輝くなど、現在サッカー界で最も注目を集める選手だ。

▽だが、レスター加入以前は多くの無名選手のうちの1人だったマフレズは、スコットランド2部のセントミレン(当時は1部)のトライアルを受けた際の驚きのエピソードを明かした。

▽当時、サルセルのユースチームに在籍していたマフレズは、チームメートと共にセントミレンのトライアルに2カ月程参加したものの、雨の多さと極寒のスコットランドの環境に辟易していたという。そして、スコットランドの生活に耐えかねた同選手は、黙ってスコットランドを離れてパリに逃げ帰るという逃走劇を演じていた。

「あるとき、エージェントからスコットランド1部のチームのトライアルを受けてみないかと誘われたんだ。彼は僕のチケットを手配してくれて、仲間と一緒にトライアルに参加したんだ」

「それはうまくいったよ。4試合のフレンドリーマッチに出て、7ゴールを決めたんだ。ただ、彼らはなかなか合否を出さなくてスコットランドでの滞在は2カ月半になったんだ。本当にイライラさせられたし、あの寒さは虐待だ。それに雪の中でもトレーニングをさせられたんだ」

「あるときは屋外でのトレーニングに出たくなかったから、ケガを装ってロッカールームに引き上げたよ。早くここから抜け出したかったけど、クラブはそれを許さなかった。だから、僕はエージェントに連絡したんだ」

「彼は僕に『リヤド、飛行機のチケットを君に送った。君はまずバスに乗ってグラスゴーの駅に向かって、そこから電車で空港に行って飛行機に乗ってパリに戻ってくるんだ』と話してくれた」

「僕は英語が全く話せなかったから、スパイクなどトレーニング道具も全てクラブのロッカールームに残してきた。それにバイク(自転車)も練習場に置いてきたから、ホテルでバイクを借りて(おそらく盗んで)、すぐに荷造りをして誰にも別れを告げないまま去ったんだ。もちろん、ホテルの受付にも何も伝えず、非常階段から逃げるようにパリへ帰ったよ」

▽無名時代の興味深いエピソードを明かしてくれたマフレズは、その後母国のカンペール、ル・アーブルを経て2014年にレスターに40万ポンド(約6200万円)の移籍金で加入した。

▽仮に、スコットランドで脱走を決行せず、セントミレンでプレーをしていたならば、今日のマフレズの活躍はなかったのかもしれない。