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4月29日、ニコニコ超会議が開幕した。今年の目玉企画の1つ「超刀剣」ブースでは"刃物の都"として知られる岐阜県関市の刀匠が集結。超会議内のブースで実際に日本刀の鍛錬を行った。また、一般来場者が参加できる刀鍛冶体験も開催された他、日刀保の重要刀剣である名刀『兼元』『兼定』もお披露目された。

今回、超会議にブース出展した岐阜県関市は世界有数の刃物の町として知られている。日本刀はもちろん、包丁や鎌、最近ではポケットナイフなど時代に合わせたさまざまな刃物を製造してきた関市。700年の伝統を受け継ぐ刀匠が生み出す刃物は、世界でも高い評価を受けている。

そんな中、近年の刀剣ブームにより注目を集めているのが日本刀だ。ニコニコ動画でも刀剣を擬人化したゲーム「刀剣乱舞」は高い人気を誇るコンテンツであり、今回のコラボレーションが実現した。

ブース9〜11ホール前に設営された「超刀剣」ブースでは、日本刀を造る鍛刀場を再現。午前11時、「火起こし」と呼ばれる儀式が行われ、いよいよ日本刀の鍛錬がスタートした。ブースには刀匠が常駐しており、作業の説明を行ってくれる。

火を起こした後は鞴(ふいご)で風を送り、火を強くする。このとき、火の高さが一定になるように鞴を押し引きするのが匠の技だ。慣れないうちは押しと引きの切り返し時に一瞬手元が止まってしまい、火の高さが変わってしまうのだという。

火の温度が高くなってきたら、仮付けと呼ばれる作業へ移る。日本刀の材料となるのは砂鉄を原料とする「玉鋼(たまはがね)」。これを先ほど火を起こした炉で熱していく。

途中、表面に藁灰(わらばい)をつけ、さらに粘土を溶かした泥水をかけて表面温度を調節する。藁灰をつけることで余計な成分を抜く効果があるのだという。

十分に熱したところで表面を槌で叩いて伸ばし、切れ目を入れて折り曲げていく。この作業が刀鍛冶で一番の見どころだ。リズミカルに振り下ろされる槌と日本刀がぶつかって「カン!」と小気味いい音を立てる。まさに職人技だ。

一連の作業では、横座(炉の前)に座っている刀鍛冶がいわゆる責任者の立場となる。彼の指示で周囲にいる刀鍛冶が槌を振るうのだが、このとき小槌を振るって合図を送り意思の疎通を図るという。このことから「相槌を打つ」という言葉が生まれた。

そんな豆知識も交えながら、超刀剣ブースでの刀鍛冶は進行していった。

日本刀鍛錬が終わった後は、一般来場者による刀鍛冶体験が待っている。当日、抽選券を配布し、当選した20名(1回あたり)が体験できるのだ。参加者は慣れない様子で槌を振るい、音や手応えを感じながら刀鍛冶体験を楽しんでいた。

昨今の刀剣ブーム、そして今回のニコニコ超会議出展について、刀匠自身はどうとらえているのか。

刀鍛冶の吉田さんは「刀剣乱舞は日本刀に興味を持っていただくきっかけとして歓迎している。日本刀の世界は奥が深いので、そこから日本刀についてもっと知ってもらえたら」とコメント。今回の超会議出展については「こうしたイベントは他でもちょくちょく行っているが、関市の刀匠がここまで一堂に会するのは超会議ならでは」とアピールしてくれた。

超刀剣ブースでは鍛錬の見学や刀鍛冶体験だけでなく、刀匠とのふれあいや「刀匠修行体験」(自由参加)も可能だ。

超会議2日となる30日は午前10:30より火起こしが始まり、日本刀鍛錬と刀鍛冶体験が3回開催される。めったにできない体験なので、この機に挑戦してみてはいかがだろう。

(山田井ユウキ)