連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第4週「常子、編入試験に挑む」第22話 4月28日(木)放送より。 
脚本:西田征史 演出:岡田健


森田屋に馴染み出す常子(高畑充希)、女学校にも無事編入できたが、今度は学校で悩ましい出来事が・・・。

4週のサブタイトル「編入試験に挑む」が、この回だけで終了。22話がはじまってわずか4分で合格してしまった。挑んでいる時間は1分もなかった。展開が早いのが朝ドラとはいえ、サブタイトルの内容まで、1週間かけないとはすごい。
だが、この展開の早さこそ人気の秘密がありそう。
「とと姉ちゃん」21話の視聴率は24.6%。1〜3週までの平均視聴率は、21.7、22.1、23.0%と順調に上昇している(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。
21話中の最高視聴率になった21話は、まず20話で何かトラブルが? と不穏感を出し、翌日、お弁当配達に問題勃発、でもすぐに解決、常子が褒められて、居候の家の人たちと打ち解ける。というすこぶる気分のいい展開だった。
このわかりやすさと、いやな感じがほとんどしないことと、観た後の引きずらなさが受けているのではないだろうか。
伏線を生かすことや、人物の哲学的な人間性の発見や、物語としての大きなうねりなどをいっさい期待せずに、「サザエさん」や「ちびまる子ちゃん」「ドラえもん」的に、短いエピソードをなんとなく鑑賞する気楽さ、観ても観なくても大きなダメージがないことが「とと姉ちゃん」の良さだ。

そう、「サザエさん」や「ちびまる子ちゃん」と思えば、登場人物に成長を期待しないでいい。ドジっ子はいつまでもドジ(君子〈木村多江〉)。頑張りやさんはいつだって頑張りやさん(常子)。美子の可愛さは、たらちゃん的。
そういえば、サブタイトルの「常子、〜〜する」も「サザエさん」ぽいではないか。いっそのこと、毎話「常子、〜〜する」とタイトルをつけて、完全にオムニバス化してもいいのではないか。

ギャグもわかりやすい。おそらく「とと姉ちゃん」を観て、老若男女、置いてきぼりになるひとはほとんどいないだろう。「あまちゃん」が好きなサブカル好きな人には、ピエール瀧と浜野謙太と平岩紙がいるので、彼らがいたって普通の芝居をしていてもつい観てしまうし。
そして、寝ながら台詞だけ聞いていても、話が驚くほどよくわかる(実際やってみました。大地真央の台詞がいちばんわかりやすいです)。ただし、昭和初期のクラシックな美術がきれい(21話は学校の照明やガラスがきれいだった)なので、ちゃんと画面も観ることをおすすめする。

22話で、編入試験に挑んで、学校に通いはじめた常子。制服を新調しなかったせいか、虐めに遭う。この問題は何分で解決するか。
(木俣冬)