米オバマ大統領が広島を訪問する意向を固めたとの報道に対して、中国や韓国では多くのメディアが消極的な見方を示している。中国メディアの環球網はこのほど、韓国メディアの間で「第2次世界対戦の元凶が被害者を装っている」などと批判が相次いでいることを紹介した。

 記事は、一部の韓国メディアが「日本はまだ中韓両国に心からの謝罪をしていない」としたうえで、米大統領の広島訪問は「時期尚早」だと反発していると紹介。仮にオバマ大統領の広島訪問が決定したとしても、日本の「免罪符」とすべきではないと批判したことを伝えた。

 さらに、オバマ大統領の広島訪問は日本がまるで戦争の被害者であるという錯覚を世界に起こさせるという反発の声もあると紹介し、戦争の元凶は日本であるという事実を覆い隠す助けを日本に与えることになるだけだと指摘した。

 また、日本はドイツと異なり、今に至るまで周辺諸国の許しを得ることができておらず、日本の首相はハワイに出向いて謝罪したこともなく、南京大虐殺についても言い逃れをしていると主張。オバマ大統領の広島訪問に対し、韓国では激しい反発の声があることを伝えている。

 記事が紹介している韓国メディアの見解に共通しているのは、「日本にはオバマ大統領の広島訪問を受ける資格はない」という点だ。日本にオバマ大統領の広島訪問を受ける資格はないという主張が仮に正しいとしても、オバマ大統領には広島訪問によって世界のために核廃絶を推し進める資格がある。過去の戦争の傷痕が、平和な未来の実現を妨げることがあってはいけない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)