三菱自動車工業の軽自動車による認証取得時の不正問題が拡大しています。

三菱が生産、日産にも供給する軽自動車だけでなく、四半世紀にわたって法規に則った走行抵抗の試験が行なわれていなかったことが明らかとなるなど、問題の根深さがあらわとなっています。

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問題の軽自動車については、当事者でもある日産ですが、まずは三菱が生産を担当している軽自動車「DAYZシリーズ」に関しては販売停止中(スズキからOEMを受ける車種は販売続行)としています。

2015年度の同社国内販売を見ると、登録車は37万5498台、軽自動車は19万7083台となっています。前年同期比でマイナス15.6%と減っている軽自動車ですが、それでも同社における国内販売の比率では34%もあり、このまま軽自動車の販売を停止していては営業への影響が大きいことは容易に想像できる状況です。

もともとスズキからのOEMによって軽自動車ビジネスに参入した日産が、独自のモデルを開発しようとした狙いと、開発リソースに悩む三菱自動車の思惑が合致して2011年に生まれたのが、両社のジョイントベンチャー「NMKV」といえます。

『日産・三菱・軽・自動車』を意味する名前を持つ同社が担うのは、商品企画とプロジェクトのマネージメント。

認証取得における不正が問題となっている三菱eKシリーズ、日産DAYZシリーズの開発・生産は三菱自動車が担当していましたが、次期モデルについては、開発段階においても日産の関与が深くなることが2015年10月に発表されていました。

その内容について、公式発表では次のように表現されています。

具体的には、設計開発、実験など実際の開発業務については、今後、日産自動車もより深くかかわることとなります。

また、NMKVの機能を強化し、従来担当してきた商品企画やプロジェクト開発などのマネジメント機能に加え、開発と生産の連携をより円滑、強化するための部署を新たに設けます。

なお、生産については、引き続き、三菱自動車の水島製作所で行う予定です。

今回の不正については、そうした日産の設計開発への”深い関わり”によって明らかになったという面もありますが、このままでは従来と同じ体制により次期モデルを開発するというわけにはいかない状況です。

不正行為を正すのは当然でしょうが、それだけでは信頼回復とはならないといえるでしょう。つまり、このまま次期モデルを開発しても市場が受け入れるとは考えづらいのも事実。

とはいえ、前述のとおり日産の国内販売において軽自動車は欠かせないプロダクトであり、いまさら軽自動車抜きのマーケティングに切り替えるというのも無理めな話といえそう。しかしながら、三菱の不正問題は1991年から始まっていたと根が深く、短期間での解決は難しい様相。

可能性としては、あらためてスズキのOEMを増やす可能性を模索して、商品を揃えるというカタチをとるのか、それともすでに進めていた路線を拡大して独自に軽自動車を開発・生産するといった2つの方向が考えられます。

いずれにしてもジョイントベンチャーとして生まれたNMKVが、その存在意義が問われる状況になるのは必至といえそうです。

(写真:山本晋也/小林和久/日産自動車)

(文:山本晋也)

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