日本には三菱・三井・住友の「三大財閥」が存在するが、各々のグループに特色がある。「組織の三菱」「人の三井」に対し、「結束の住友」といわれるのは、3財閥の中でも住友の結束力が突出して堅いからだ。

 毎月第4水曜日に開催されるグループ会社社長が集う「白水会」の発足は1951年で、金曜会(三菱)、二木会(三井)より歴史が古い。江戸初期に住友家が「泉屋」として大阪で銅商を始めたことから、「泉」を上下に分けて「白水」としたと言われる。

「白水会は“住友の商標を使わせてもらい、その代わりに住友家をお守りします”という経営者の集まりです。金曜会や二木会より規律を重んじており、現役社長以外の代理出席は認めない。内容は一切非公開で議決は満場一致が原則です」(住友グループ関係者)

 白水会の議題について、『住友財閥成立史の研究』(同文館出版)の著者で追手門学院大学教授の畠山秀樹氏が解説する。

「大きなテーマはグループ企業の経営状態のチェックと新産業分野の推進など高度な戦略立案。寄付や社章の管理も行なっており、事実上、住友グループの最高意思決定機関と言えます」

 なお、三井系と住友系は合併が進むが、二木会には三井系出身、白水会には住友系出身しか出席しない暗黙のルールが存在する。

 そんな白水会メンバーに衝撃が走ったのは、2012年の住友金属工業と新日本製鐵の経営統合だった。三井住友銀行、住友化学と並ぶ「住友御三家」の一つだった住金だが、事実上の吸収合併によって「新日鐵住金」となり、社名から「住友」の二文字が消えた。

「新会社の社長は当初、『白水会への出席は継続したい』と明言していたが、白水会の下部組織である商標委員会が『住友』の名前を使い続けることを許さず、脱退することとなった。住友の意に沿わなければ御三家でも容赦なく切り捨てる姿勢は衝撃的だった」(前出・住友グループ関係者)

※週刊ポスト2016年5月6・13日号