自分の「性別」を知った日、それは「出会い系サイト」に登録した日

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ある同性愛者が自らの素直な気持ちを出会い系サイトに登録したとき、起きたこととは。デジタル時代のセックスのあり方にまつわるいくつかのストーリーを『WIRED』日本版VOL.21より転載。

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VOL.21特集「Sex in The Digital Age」より転載

2016年2月10日発売の『WIRED』日本版に掲載した特集から、話題のコンテンツを順次公開! 「セックスとテック」にまつわる7つの“投書”から、オキュラス・リフトがポルノにもたらすものや、セックスのない愛まで。関連記事は、こちらより。

2010年、大学を卒業したてのわたしは、現実世界で恋人探しをしようと思った。そこで、ほかの同年代の人たちのように「OkCupid」を使ってみた。

OkCupidでは、自分のプロフィール欄を埋めていく前に、性別と恋愛対象を尋ねられる。まあ、出会い系サイトなのだからそれは理にかなっている。

しかし当時のわたしにとって、それは単純な質問ではなかった。実際のところ、自分がどちらの性別に適しているのかわからなかったからだ。学生のころには自分は男っぽいレズビアンだという認識だったが、そのあとは女の体をもった男性なのかもしれないという事実を受け入れ始めていた。

こうした込み入った事情ゆえに、出会いの機会が狭められてしまうのは不本意だ。そこでこんな解決策を思いついた。中身は基本的にまったく同じアカウントを2つつくり、片方は女性を探している女性として、もう一方は男性を探している男性として登録したのである。自分が同性愛者であるということを自分自身が感じていたので、とりあえずその認識に従うのが筋だろうと思ったのだ。

どちらのプロフィールにも同じ写真を載せ、ほとんどすべての質問に対して同じ回答をした。わたしの性別のことについてはどちらでも触れず、見る人に考えて判断してもらうことにした。わたしが自分で考えて判断しようとしたのと同じように。

いまにして思えば、何の断りも説明もなしに、またほかの人がどう思うかと心配することもなく、自信をもって「自分は男性である」と世界に宣言したのは、このときが初めてだった。だから数日経ってOkCupidをチェックしたとき、どちらのアカウントの受信箱にもほぼ同じだけのメッセージが届いていたのを見て嬉しく思った。

性別について何かしら言及しているメッセージは1通もなかった。わたしがどのように自分のことを語ったかにかかわらず、彼らはわたしを受け入れてくれたのである。これは、いい気分だった。

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