なでしこジャパンの高倉新監督が抱負「日本人にしかできないサッカーを」

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 日本サッカー協会(JFA)が27日に記者会見を開き、なでしこジャパン(日本女子代表)の新監督にU−20日本女子代表監督の高倉麻子氏が就任すると発表した。なでしこジャパンの監督を女性指導者が務めるのは史上初となる。

 2008年から今年3月まで指揮を執った佐々木則夫前監督の後任に指名された高倉氏は会見の冒頭、「まず最初に、リオデジャネイロ・オリンピック予選で敗退したことは悔しく、残念なことだと思う。ただ、佐々木(則夫)監督をはじめ、今までに積み上げてきた栄光は消えるものではないし、素晴らしい栄光だったと考えている。そのうえで私が監督としてやることは、今までに積み上げてきたものに磨きをかけて、さらに高いところへ選手たちを連れていくことだと考えている」と抱負を述べ、以下のように続けた。

「“どのようなサッカーをするか”という話があると思うが、日本人にしかできないサッカーを追求していきたい。さらに、ワールドカップやオリンピックで良い成績を収めるだけでなく、世界の女子サッカーをリードしていけるようなサッカーをしていきたい」

「2011年のドイツ・ワールドカップで優勝した時のことを思い返すと、日本人の特長が最大限に活かされていたと思う。日本人は非常に器用で勤勉で頭が良いと思う。戦術理解度が高いし、人のために組織として大きな力を発揮できる。そのことがなでしこジャパンの大きな力になったと思う。そこを大切にしながら、“日本人にしかできない”日本のサッカーを選手とともに追求していきたい」

 理想に掲げる“日本人にしかできないサッカー”の具体的な内容を問われると、高倉新監督は「一言で、というのは非常に難しいが、攻守にアグレッシブなサッカーをするということを引き継いでいくと思う。それにさらに磨きをかけるために、選手1人1人がグラウンド上での思考を止めない、状況判断に優れたサッカーをしていきたい。“相手がどこにいて、時間や場所がどうなっていて”ということを全て頭に入れながら、チーム全員が連動していくサッカーをしたい」と説明した。

 また、高倉新監督は対戦相手から緻密な分析をなされていることを踏まえて、「互いが互いの手の内を知りながら試合に臨んでいる。やはり、ゴール前を固められることが多いし、大きく(ボールを)蹴り込んでフィジカルを活かしてゴールを狙ってくるチームが多い。日本のスタイルは崩さず、いかに点を取るか。アタッキングサードや両ペナルティーエリアの中での質をどう上げていくかが大事。チームを作っていきながら、試合をこなしていきながら、その部分を高めていきたいと思う」とチーム作りを展望している。

 高倉新監督は1968年生まれの48歳。選手時代は日本代表として長きにわたって活躍し、1983年の初選出以降、国際Aマッチ通算79試合出場29ゴールを記録した。1996年のアトランタ・オリンピックにも出場。現役引退後は指導者に転身し、2007年以降はJFAナショナルコーチングスタッフとして活動して2009年にU−16代表コーチに就任すると、2013年には同代表監督となった。以降は同代表の指揮を継続。年代が持ち上がる形で、現在はU−20代表監督の座にある。2014年10月のAFC(アジアサッカー連盟)U−16女子選手権を制し、翌2014年のFIFA U−17女子ワールドカップではU−17代表を率いて大会初制覇を果たした。2012年と2013年には、AFC アジア年間最優秀コーチ(女子の部)を受賞するなど、実績を残している。