障がいがあっても楽しめる!「愛の手帳」が教えてくれたこと【シングルマザー、家を買う/49章】
<シングルマザー、家を買う/49章>

 バツイチ、2人の子持ち、仕事はフリーランス……。そんな崖っぷちのシングルマザーが、すべてのシングルマザー&予備軍の役に立つ話や、役に立たない話を綴ります。

 我が家に「愛の手帳」が届いたのは2014年の夏。

 愛の手帳とは、児童相談所で障がいの度数を調べ、配布される、いわゆる「療育手帳」だ。この手帳を手にすると、さすがに息子は他の子とは違うという実感が湧いてくる。だからこそ、この手帳を表に出すことに少し抵抗があった。見た目も普通で愛嬌のある息子なのに、この写真付きの手帳を提示することで「この子には障がいがあります」というメッセージを発信しているようなものだからだ。

 とはいえ、ただこの手帳をクローゼットの奥に眠らせておくのはもったいなさすぎる。というのも、この手帳には様々なサービスが、それもかなり使えるサービスがついているのだ。

◆ありがたい無料と割引…愛の手帳ってスゴい!

 まず、私が住む東京都では、本人が小学生になるまでは、本人と付き添いの大人1名が都営バスと都営の電車がすべて無料になる。私鉄の割引サービスはないが、わが町に走るバスも、付き添いの大人1名が半額になるので、かなり便利である。水道代も基本使用料は無料となり、有料のごみ袋は、都が指定した1年分の量を支給してもらえる。これはかなり役に立つ。すでに「母子手当」といわれる「児童扶養手当」を打ち切られていた私には喉から手が出るほど欲しいサービスだった。

 うれしいのが、アミューズメント施設の割引だ。障がいがあるというだけで、周りに迷惑をかけることを考え、外出をすることをあきらめてしまう親は多い。でも、それでは親も子供も気分転換ができずに悪循環になってしまう。この手帳は、昭和記念公園などの都営の公園は、本人と付添人1人が無料となり、遊園地や水族館、スカイツリーや東京タワー、さらにフジテレビの展望台やプールなど、ありとあらゆる親子で楽しめる場所が、半額から10%ほどの割引してもらえるのだ。これは使わない手はない!

◆障がい児家庭にうれしい“並ばなくていい”サービス

 なによりありがたいのが、ユニバーサルスタジオジャパン(USJ)や、東京ディズニーランド/シーで手帳を提示すると利用できる、“並ばなくていい”というサービス。もちろん、その場ですぐに優先で入場できるわけではないが、待ち時間が100分の乗り物に乗るときは、そのアトラクションの入り口で名前を告げ、100分後にもう一度訪れればファストパスなどと同じ入り口から優先的に入場できるのだ。

 ちなみに、この100分の間は他の乗り物に乗ることを禁じられているが、その間にパーク内をブラブラできるだけでもありがたい。周りに迷惑をかけることなく、息子本人もストレスを感じることがないのだから。

 障がいを持っていない子供に比べ、障がいを持つ子供たちはパニックを起こしやすかったり、その場でおとなしく並べないことが多い。となると必然的に、何時間も並ぶような遊園地は行けなくなってしまうのだ。

 我が家の息子も様々なことに興味を深く持ちすぎる傾向にあり、気になったものに鉄砲玉のように走り出してしまう。しかも異常に力が強く、大人の私でさえ引っ張られてしまうほどだ。それを制御しようとすると、息子は大きな声で叫びだし、パニックを起こす。

 また、他人との距離感が上手く図れない息子は、前後に並んでいるお友達と仲良くしたくてたまらない気持ちが先走りし、いきなり抱きついたり手をつなごうとしてしまうのだ。大人から見れば微笑ましい行動だが、相手の子によっては恐怖を与えてしまうこともある。あまりに積極的すぎるのも問題なのだ。