タックスヘイブン(租税回避地)で現地法人の設立・運営・管理をしていたパナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」から漏洩した、いわゆる「パナマ文書」がいま世界を震撼させています。税金逃れのため設立された現地会社の所有者の実名やその活動内容など、絶対に明るみに出ないはずだった機密情報が2.6テラバイト(すべて誌面に印刷するとなんとトラック1000台分!)も流出してしまったのです。

その中には中国の習近平主席の親族、ロシアのプーチン大統領の周辺、英国のキャメロン首相の亡父ほか、世界各国の首脳・閣僚等、重要人物あるいはその関係者の名前も多数、あるようです。いったい誰が、何のために暴いたのか!? 日本への影響は!? 政治・経済・金融の闇を解説させたら右に出るところはない刺激的な金融メルマガ「闇株新聞プレミアム」でも、もちろんこの問題を詳細に記事にしています。今回はその一部をご紹介しましょう。

これは正義に駆られたジャーナリストの
勇気ある行動などでは断じてない!

「パナマ文書」について、日本では相変わらず通り一遍の報道しかなされていません。このまま待っていても「本当に重要な部分」が世間に伝えられることは、絶対にないでしょう。

 2013年にエドワード・スノーデンが持ち出して最終的にロシアに渡った米国諜報活動に関する機密情報が、あるいは2015年に令完成が米国に持ち出した中国共産党に関する機密情報が、その後どのように「活用」されたのか、どんな「取引の材料」に使われたのか一切漏れ伝わってこないのと同じです。

 つまり、「パナマ文書」の本当に重要な部分は、それを漏洩させた誰か(あるいはどの部分をどのタイミングでどのように公にするかを決められる誰か)により恣意的に利用されるはずです。

 少なくともこれは「正義に駆られたジャーナリストによる勇気ある行動」などでは決してありません。そこを理解しておかないと、ますます混沌としていく世界の政治・経済・金融がますます読めなくなり、これからやってくるであろう衝撃に翻弄されてしまうでしょう。

 本紙は「明確な事実だけを積み上げて相場の見解などを引き出すアプローチ」を信条としており、憶測に基づいた安直な相場予想は厳に慎んでいますが、こと「パナマ文書」に関しては憶測を加えなければ予想がつきません。その点をあらかじめご承知おき下さい。

 「パナマ文書」が漏洩したきっかけは、2015年8月に「南ドイツ新聞」に寄せられた1通の匿名メールで、暗号を使って全文を受け取ったため今も誰が送ったのかわからないというのです。

 そんな「子供だまし」のような説明を信じるわけにはいきません。恐らくはどこかの国家の意を受けた諜報機関によるハッキング行為で強奪されたものでしょうが、それではさすがに国際的な事件になってしまうため、「ジャーナリズム」を前面に出して“正義色”を強調しているのでしょう。

「パナマ文書」は諜報機関により強奪された!?
ドイツ連邦情報庁の仕業とするには違和感も…

 では、「パナマ文書」を強奪したのはどこの諜報機関か……送られた先が「南ドイツ新聞」であったことを考えれば、ドイツ政府の意を受けたBND(ドイツ連邦情報庁)が最初に思い当たります。

 BNDとは東西冷戦時、対東独・東欧・ソ連の諜報活動の最前線だった組織で、現在も7000人もの職員を抱えます。歴史的背景からロシアやプーチン大統領を狙い撃つためのものだったと考えれば、一応は筋が通ります。

 ただ、単純にBNDによる工作と結論付けるには違和感も残ります。それは「パナマ文書」を受け取った南ドイツ新聞が、それをすぐにワシントンDCにある「ICIJ」(国際調査報道ジャーナリスト連合)に提供しているところです。

 ICIJの「正体」はよくわかりませんが、純粋なジャーナリスト組織であるはずがありません。ICIJとドイツ(あるいはBND)は大変に違和感のある組み合わせです。

 さらにICIJの呼びかけでイギリス「BBC」「ガーディアン」フランス「ルモンド」など世界100以上の報道機関に所属する400人近いジャーナリストが分析に関わったとされていますが、米国の「ニューヨークタイムズ」「ワシントンポスト」「ウォールストリートジャーナル」「ニューズウィーク」などにはほとんど呼びかけていなかったようです。

 事前に情報が「どこか」に漏れることを恐れたためでしょう。

日本人に関わる情報は朝日と共同が握る
彼らは情報を、どう「使う」だろうか?

 日本では共同通信の澤康臣記者と、朝日新聞の奥山俊宏編集委員が分析に加わったとされています。これが本当だとすれば「パナマ文書」に出てくる日本人に関わる情報は、すべてこの2人が握っていることになります。

 繰り返しになりますが「パナマ文書」に関しては、その情報を握っている人物が、どの部分を、どのタイミングで、どのように公にするかを恣意的に利用できます。

 これから6月の伊勢志摩サミット、7月の参院選、そして「消費税延期」を問う衆参ダブル選挙も視野に入れる安倍政権にとって、何かと批判的な朝日新聞に「パナマ文書」の情報が握られていることは、ますます不気味です。

 先週の本連載「安倍政権は消費増税再延期で衆参同日選挙を決意!? 首相vs旧大蔵省の壮絶なバトルが始まる」とも合わせ、安倍首相およびその周辺に「なぜこの時期に?」と思われるような事件の発覚や強制捜査があるかもしれません。

米諜報機関がオバマ抜きで仕組んだ!?
これから何が出てくるか…目が離せない!

 さて、今回のテーマ「誰がパナマ文書を暴露したのか」ですが、本紙は「オバマではない米国当局」つまり軍部や諜報機関・外交関連を含む行政機関ではないかと考えています。つまりオバマ大統領がまったく知らないところでこれらの機関が動いた可能性です。

 米国大統領は各行政機関の最高責任者ですが、任期切れが近いためあまり気にせずに動いているのでしょう。オバマ大統領在任中に徹底的に弱体化した米国を何とか立て直し、米国の存在感を取り戻そうと考える勢力がいるからです。

 まもなくもっと明らかになる「パナマ文書」の情報を、最も有効活用できるのは米国の諜報機関や外交関連の行政機関であり、オバマ大統領は蚊帳の外だったと考えるとしっくりくるからです。

 もちろんこれは結論ではありません。「パナマ文書」が引き起こし得る問題については、今後も金融メルマガ「闇株新聞プレミアム」で継続して追っていくことになりそうです。