電力自由化ってトクなの?比較のしかたと落とし穴
 こんにちは。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢です。

 2016年4月1日から電力の小売全面自由化がスタートしました。

 電力の需給調整を行う「電力広域的運営推進機関」によると4/1時点での契約変更申請は53万2600件。一般家庭の電力契約である約6200万件のおよそ0.9%にあたります。

 今後、電気契約を見直す場合、どういった点に注意をする方が良いでしょうか。

◆電力の比較サイトでチェックしてみる

 新しい電気契約を検討する際は、エネチェンジ( https://enechange.jp/)や価格.com(http://kakaku.com/energy/simulation/)などの比較サイトを利用すると便利です。

 検針票が1ヶ月分でもあれば、その他の月については概算を自動計算してくれ、加えて家族構成や生活スタイル(日中は家にいるかどうか等)を選択すると、得になる順番に電気事業者をリストアップしてくれます。

 ここで注意したいのは、お得になるとして算出される金額の内訳です。電気代の減額だけではなく、ポイントの還元や、その他の費用の軽減などが含まれている場合もあります。実際に自分が活用している・できるサービスで還元されるのか確認をしましょう。

 例えば、車に乗らない人が、ガソリン代の年間割引相当額を含んだ試算で選んでも、自分にとってはお得ではないケースがあります。

 また、1ヶ月分の実績で他の月の電気代を概算してくれるのは便利ですが、実態と違うこともあります。我が家の場合も自動計算で算出される年間電気代は、10月の実績を基にすると99,618円、12月の実績を基にすると161,644円となり、大きくずれました(実際は1年間で148,359円)。

 月毎の電気使用量の違いは、ある程度は自動計算にも組み込まれていますが、やはり我が家の1年間の実績データを入力した方が比較しやすいでしょう。

 東京電力の場合だと「でんき家計簿」 (https://www.kakeibo.tepco.co.jp/dk/aut/login/)を使うと過去の電気料金を確認することができます。

 各電力会社で類似のサービスが提供されている場合は多いです。

◆乗り換えると元に戻せないプランも

 電気プランによっては新規加入を受け付けていない物もあるため、1度契約変更をすると現在のプランに戻れない場合もあります。

 2020年4月までは従来プランが維持されることになっていますが、実は新規加入については、受付を終了しているものがあります。

 東京電力でいうと「電化上手」「おトクなナイト8,10」「ピークシフトプラン」といった季節や時間帯によって電気料金単価が変わるプラン(選択約款に基づくプラン)は、もう新規加入を受け付けていません。現在これらのプランを選んでいる人は、一度別の契約に変更して元に戻したいと思っても次は新たな電気プランラインアップから選ぶことになります。

 これらのプランは、もともとよく電気プランを研究している人が選ぶことの多いプランです。新プランに類似のラインアップもありますが、従来のプランがお得なケースも多いため、気をつけてください。

◆今は焦って変えなくてもいいかも…

 また、電力会社によっては契約期間の縛りなどが出てくるケースもあるため、やはり現状では切り替えは慎重に判断する必要がありそうです。

 2017年4月にはガスの自由化も控えていて、もっと自分に合うプランが出てくる可能性もあります。電気使用量が多い家庭や、割引特典がマッチする場合などでは年間数万円お得になるケースもありますが、単身者や電気をたくさん使っていない家庭においては焦らなくても良い時期と言えそうです。

<TEXT/風呂内亜矢>
【風呂内 亜矢(ふろうち・あや)】
ファイナンシャルプランナー。CFP認定者、宅地建物取引士。1978年生まれ。岡山出身。IT企業に勤めていた26歳のとき、貯金80万円で自宅用としてマンションを衝動買いしたものの、物件価格以外にも費用がかかることを知り、あわててお金の勉強と貯金を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し、賃料収入を得ている。テレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。著書に『その節約はキケンです〜お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか〜』(祥伝社)等がある。
公式サイト:http://www.furouchi.com/
公式ツイッター:@furouchiaya