26日、北京で発生した暴力事件が、中国のSNS上で話題になっている。3日夜、女性が暴漢に襲われ助けを求めるも、援助の手を差し伸べる人は皆無だった。資料写真。

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2016年4月26日、北京で発生した暴力事件が、中国のSNS上で話題になっている。3日夜、女性が暴漢に襲われ助けを求めるも、援助の手を差し伸べる人は皆無だった。参考消息網が伝えた。

監視カメラに映った動画はネット上でたちまち広まり、延べ700万人以上が動画サイトの優酷網でその動画を視聴した。被害者は警察に関連情報の提供を求めたが拒否されたことに憤り、数千人の中国版ツイッター・微博(ウェイボー)ユーザーも彼女の怒りに同意を示した。ある人は「女性が暴漢に襲われたという深刻な事件に対して、警察側は『まったく無関心だった』ことは紛れもない事実だ」と投稿した。この投稿に対して多くの人が反応した。というのも、彼らの中には、警察とのかかわりで同じような経験をした人が少なくなかったからだ。

中国において、国民が犯罪に関するデータを得る機会はほとんどない。だが、国連地域間犯罪司法研究所(UNICRI)が発表した「国際犯罪被害者調査」によると、北京における性犯罪被害の届け出率は世界最低レベルで、カイロとジャカルタを上回った。中国香港では、法律執行当局が掌握した性犯罪事件が犯罪事件全体に占める割合はわずか2%。香港大学の研究によると、警察に届けられたこの2%の事件のうちほとんどは、司法手続がとられなかった、あるいは加害者が裁判で有罪判決を受けて終わることはなかった。

このような現状はまさに、SNSが重要な役割を果たすことになった原因といえよう。香港大学社会福祉活動・社会行政部の陳高凌(チェン・ガオリン)准教授は、「はっきりとは言えないが、この事件が広く話題にならなければ、警察当局はこんなに素早く対応することはなかっただろう。性暴力や家庭内暴力は、警察が研修を実施する際の必須科目ではないからだ」と指摘した。陳准教授は、研究報告において、「中国では、パートナーの男性とのいさかい絡みで女性被害者が生まれるという文化的背景が色濃い。このため、警察は積極的に介入することを控える傾向にある」と分析している。

SNS上で話題に上ったことで暴力事件の処理・進展状況が変わったのは、今回が初めてではないが、SNSの作用が発揮されていなければ、この種の事件が未解決のまま棚上げされる可能性は極めて高い。(提供/人民網日本語版・翻訳/KM・編集/武藤)