“嫌な仕事”を続けるのは時間の無駄遣い。“楽しい仕事”に変えるコツとは

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毎日毎日、次から次へとこなさなければならない会社の業務。そのなかには、「楽しくないけど仕方ないからやる」「好きじゃないけど嫌々やる」といった仕事も少なくないのでは。でも、働く女性にアドバイスする書籍を数々執筆してきた有川真由美さんは、「嫌々やる仕事はうまくいかないことが多く、ますます嫌になってしまうばかりです」と忠告する。

「嫌だなと思いながらやる仕事は、『やりたくない』という気持ちから無意識のうちに消極的になりがちです。すると、中途半端な仕上がりになったり、ミスを繰り返したりして、上司に注意されることも。結果、その仕事に対する苦手意識が生まれ、ますます嫌になる…というネガティブスパイラルに陥ってしまいます」(同)

そもそも、仕事をしている時間は、人生のうちの多くを占める時間。そのため、“嫌な仕事”があればあるほど、人生の時間を有効に使えなくなると、有川さん。その意味でも、どんな仕事も“嫌々やる”のではなく、“楽しくやる”ことが理想的なのだとか。

ではどうしたら、“嫌な仕事”を、“楽しい仕事”に変えることができるのか、そのヒントを有川さんに教えてもらおう。
◆「〜しなければ」と思うことを「〜しよう」に変える

嫌だと思う仕事をするときは、たいてい頭の中で「〜をしなければ」と思っているもの。「〜をしなければ」というフレーズを使うことによって、その仕事が嫌でつらい、やりたくないものだという印象がさらに強まり、心理的なハードルがますます高くなってしまうのだそう。

「『〜しなければ』という言葉には“仕方なくやらされている”というイメージがともなうので、極力使わないようにしてください。その代わりに、『〜しよう』と言うようにすると、“自分の意思で取り組む”という前向きな気持ちになり、自然と心理的なハードルを下げることができます」(同)

◆その仕事の楽しめる要素を見つけて好きになる

有川さんによれば、どんな仕事にも必ず“好きになれる要素”があるのだとか。嫌だと思っている仕事があるなら、自分が楽しめるテーマや目標を設定して、それをクリアすることをゲームのように楽しみながら取り組むのがおすすめ。

「単調なルーチンワークなら、『30分以内に仕上げる』といった目標を設定し、クリアしたら自分にご褒美をあげる…というように、ゲームのように楽しめる工夫をすると、仕事に前向きに取り組めます」(同)

◆「どうすればうまくいく?」と考える癖をつける

嫌だと思う仕事には、必ず嫌になる原因があるはず。それがなんなのかを考えずに放置しておくと、そこで思考が停止してしまい、後ろ向きな気持ちのままになってしまう。しかし、なぜ嫌なのか原因を考え、それに対して「どうすればうまくいく?」「どうすれば好きになれる?」と、改善策を考える癖をつけると、事態が好転しやすいのだそう。

「たいていのことは、解決策があるものです。だからこそ思考を停止させずに、『どうすれば〜』と考えてみましょう。例えば、一緒に仕事をしている相手が苦手なら『どうすればうまく付き合える?』、不得意な仕事に時間がかかっているなら『どうすれば時間をかけずにすむ?』と考えてみると、苦手な相手と会話で盛り上がれそうな共通の話題を見つけることができたり、時間をかけないために周囲に協力してもらうことを思いついたりできるでしょう」(同)

「嫌なことを嫌なまま続けることほど、もったいない時間の使い方はありません」と、有川さん。嫌々やっている仕事があるなら、今日から好きになることを目標にしてみよう。

有川真由美
作家・写真家。化粧品会社事務、塾講師、科学館コンパニオン、衣料品店店長、着物着付け講師、ブライダルコーディネーター、フリーカメラマン、新聞社広告局編集者など、多くの職業経験を生かして、働く女性のアドバイザー的な存在として書籍や雑誌などに執筆。46か国を旅し、旅エッセイも手がける。著書は『「働く女(ひと)」の77のルール』『いつも仕事がうまくいく女の41のリスト』(以上、PHP研究所)ほか多数。5月27日に『「がんばる」を手放すための本』(河出書房新社)を発売予定。