うつ病の家族との正しい接し方・治療法とやってはいけないNG対応6つ

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うつ病の患者数は全国で100万人以上ともいわれています。あなたのまわりにも、うつ病を経験したことのある人が1人や2人はいるのでは?

うつ病の克服には、なるべく早いうちに適切な治療を受けることが大切です。そのためには、家族をはじめ患者の身近な人たちの支えが欠かせません。

逆に、周囲の人がうつ病について無理解なために、治療がおくれたり症状が悪化したりするおそれもあるのです! 働き盛りの夫が万が一うつ病になってしまったら……あなたは適切な接し方や対応が出来ますか?

そこで、今回は『WooRis』の過去記事や生労働省のサイトなどの情報をもとに、いざというときのために知っておきたい“うつ病の基本知識”をまとめました。うつ病のサインからNGな接し方まで、チェックしてみてください。

 

■1:身近な人に出ていない? うつ病の症状チェックリスト

「最近ふさぎこんでいるようだけど大丈夫かしら?」

そんなふうに周囲の人がちょっとした異変に気づくことが、うつ病の早期発見につながるケースは少なくありません。

そこで、“心・身体・行動”の3つの側面から、うつ病の症状についてまとめてみました。あなたの家庭や職場でうつ病のサインを出している人がいないでしょうか?

(1)心に現れるうつ病の症状

・憂うつ、気分が重い

・何をしてもつまらない、趣味も楽しめない

・やたらイライラしたりそわそわしたりする

・自分を責めたり、自分に価値がないように感じたりする

・集中力や思考力が低下してぼんやりしてしまう

・死にたい、消えてしまいたいと思う

(2)身体に現れるうつ病の症状

・食欲がない、あるいは過食してしまう

・寝つきが悪かったり、眠りが浅かったりする

・体がだるい、疲れやすい

・性欲が落ちる

・頭痛や肩こりがある

・下痢や便秘が続く、胃に不快感がある

・口が渇く

(3)行動に現れるうつ病の症状

・表情が暗い

・涙もろくなる

・身だしなみに気をつかわなくなる

・飲酒量が増える

・遅刻や欠勤、仕事のミスが増える

・自分に否定的な言葉を人前で使う

もちろん、うつ病でなくてもこれらの症状が現れることはよくあります。ただ、こうした状態が2週間以上も続くようであれば要注意です!

症状が長引く場合には「気のせい」「そのうち治るはず」などと軽く見ずに、精神科や心療内科の受診をすすめてみましょう。

ただ、“うつ=心が弱い人”という誤解から、症状がでていても自分がうつ病だと認めたがらなかったり受診をためらったりする人もいるようです。特に男性はその傾向が強いのだとか。

ですから、受診をすすめる際にはただ「病院行ってみたら?」と言うのではなく、ちょっとした工夫も必要です。

 

■2:上手な受診のすすめ方

たとえば、夫に精神科や心療内科の受診をすすめたい場合には、次の3点を心がけるとよいでしょう。

(1)指図・説得はしない

本人が乗り気ではないのに、「あなた、うつ病なんじゃないの?」「病院行ったほうがいいよ」としつこく言うのは逆効果。

男性は「自分のことは自分がいちばんよくわかっている」という思いから、他人に指図されると頑なになるおそれがあります。

本人が「病院には行かない」と言う場合には、無理強いするのではなく「あなたがそう言うなら、きっと大丈夫なんだと思う。自分で変だと思ったら、私が言わなくても行くよね」と自発的に受診するように促しましょう。

(2)“心の症状”よりも“身体の症状”にフォーカスする

男性は憂うつや気分の落ち込みといった心の症状よりも、不眠や食欲不振などの身体の症状を何とかしたいと考える傾向があるとのことです。

ですから、「病院で治療を受けたら気分が軽くなるよ」と言うよりも「不眠症状が良くなるみたい」とか「食欲がないと栄養失調になっちゃうから、病院へ行こう」など身体症状が軽くなることを伝えるようにしましょう。

(3)一緒に行くことを提案する

誰でも初めての通院には不安が伴うもの。「忙しい」「病院に行くほどでもない」など何かと言い訳をつけて病院に行くのを渋る場合には、「病院に行けば?」ではなく「一緒に行こう」とすすめてみましょう。

 

■3:うつ病の人への基本的な接し方

家族や友人など身近な人がうつ病になったら、どのように接したらよいのでしょうか?

基本的な接し方として以下の4点があげられます。

(1)注意深く見守る

うつ病患者の生活リズムや身だしなみに目を向けることで、周囲の人が症状の変化に気づきやすくなります。

また、重症患者が発することのある自殺のサインを見逃さないためにも、患者を注意深く見守ることは非常に重要です。

(2)じっくり話を聞いてあげる

うつ病の人の話にじっくり耳を傾けることも大事です。

ただ、その際に「そんな大げさな」など否定的な言葉をかけるのはNG。「〜〜が辛いんだね」というように、オウム返しでうつ病の人の気持ちを受け止めてあげましょう。

(3)そっと寄り添い続ける

うつ病の人によかれと思っていたわりの言葉をかけたら、「ほっといてほしい」などとつれない反応しかかえってこないこともあるでしょう。

それを真に受けてうつ病の人を放置すると、ますます孤立感を募らせるおそれがあります。うるさく介入するのではなく、そっと寄り添い続けましょう。

たとえば、メモを渡したり、メールしたり、留守番電話にメッセージをふきこんだりなどして「いつもあなたのことを気にかけていますよ」という気持ちを伝えると、うつ病の人の孤立感をやわらげることにつながります。

(4)自然体で接する

うつ病の人に対して腫れものに触るような扱いをすると、「自分のせいで迷惑をかけてしまっている」「情けない」などと罪悪感を強めてしまうおそれも。

過剰反応はせず、うつ病の人がリラックスできるように自然体で接することも大切です。

 

■4:うつ病の人への接し方NG例

逆に、以下のような接し方はうつ病の人に対しては絶対に避けるようにしましょう。

(1)はげます

よく言われていることですが、うつ病の人を「がんばれ」と励ますのは望ましくありません。

がんばり過ぎてエネルギー切れを起こしているうつ病の人をますます追い込んでしまうおそれがあるからです。

(2)気晴らしをすすめる

うつ病の人がふさぎこんでいるのを見ると、「旅行なんてどう?」「読書でもしてみたら」など気晴らしをすすめたくなるかもしれません。

ただ、うつ病の人が第一に必要とするのは休息ですから、安易に気晴らしをすすめないようにしましょう。

(3)決断を任せる

うつ病の人は過度に自分を責めて「仕事を辞めなければ」「離婚をしなければ」など、悲観的な発想をしやすくなります。

これもうつ病の症状のひとつですので、すぐに結論を出させるのではなく、「その問題は、もう少し元気になったら考えよう」と提案するようにしましょう。

(4)意見を求める

退職、離婚のような大きな決断に限らず、“夕食のメニュー”など日常のささいな決めごとにおいても、うつ病の人は思考力・判断力が鈍りがち。

本人の意思を尊重するつもりで意見を求めると、かえってプレッシャーをかけてしまうおそれもあります。

「どう思う?」「あなたはどうしたいの?」と尋ねるよりも、「〜〜したいけどいいかな?」と“YES、NO”で答えられる提案をするように心がけましょう。

 

■5:うつ病の人への禁句・NGフレーズ

前項“うつ病の人への接し方NG例”でもいくつか出てきましたが、うつ病の人に対する禁句もあります。

うっかり口にしてしまいがちだけど、症状の悪化などにつながりかねないNGフレーズ3パターンをぜひおさえておきましょう。

(1)はげましの言葉

・「元気出して」

・「ポジティブになろうよ」

・「早くよくなってね」

・「すぐに治るから大丈夫」

・「あなたは強いんだから大丈夫」

こうしたはげましの言葉はうつ病の人にとってはプレッシャーにしかならないおそれがあります。

(2)うつ病を軽く見ている言葉

・「うつ病なんて大したことないよ」

・「誰だって悩みはあるよね」

・「あなたよりもっと辛い人だっている」

・「いつまで落ち込んでるの?」

・「そんな深刻にならなくても……」

“よかれ”と思っての言葉でも、うつ病の人は「自分のつらさをわかってもらえない!」とネガティブにとらえるおそれがあります。

(3)相手を責める言葉

・「もっとしっかりしてよ」

・「そんなにうじうじしないでよ」

・「あなたの考え方に問題があるんじゃないの?」

・「あなたのためにやったのに!」

・「まだ治らないの?」

距離が近ければ近いほど、うつ病の人の言動にイライラしたりやきもきしたりすることもあるはず。でも、相手を責めては症状に追い討ちをかけることになりかねないので、「本人はもっと辛いはず」「病気のせい」と思って、責める言葉はぐっとこらえましょう。

 

■6:家族としての接し方

うつ病の人にとって家族はもっとも身近なサポーター。基本的な接し方に加えて、以下の点を心がけましょう。

(1)付き添いなど通院のサポートする

病院を探す、予約する、お医者さんに自分の状態を話す……いずれもうつ病の人にとっては重労働です。

家族がうつ病になったら、ただ通院をすすめるだけでなく、病院探しから付き添いまで、できるだけ通院のサポートをしてあげるようにしましょう。

病院選びは迷ってしまうかもしれませんが、精神科・心療内科の良し悪しは患者さんと医者の相性によるところが大きいので、まずは“通いやすさ”を基準に選ぶのがおすすめです。

人気のクリニックは予約が1ヶ月待ち……なんてこともあるので、「絶対にこの病院!」と決めつけずに数軒ピックアップしておくといいでしょう。

(2)薬の管理をする

うつ病は、脳内の神経伝達物質の働きがかかわっているため、それを調整するための薬物療法も有効だと考えられています。

薬は担当医の指示に従ってきちんと飲み続けることが大切です。飲み忘れがないように、“いつどの種類の薬を何錠のむのか”を患者の家族もきちんと把握しておきましょう。

また、ちょっと症状が改善すると自己判断で薬をのまなくなったり、量を減らしたりする人もいますが勝手なことをすると症状がぶり返しかねません。

うつ病の家族が勝手に薬を減らすようなら、本人に口やかましく注意するよりも担当医に相談しましょう。

(3)飲酒は控えさせる

うつ病の人がリラックスして過ごせる環境を整えてあげることが大事なのですが、いくら気がまぎれる、眠れないからといってお酒に頼るのはよくありません。

薬の作用にも影響しますし、アルコール依存症につながるおそれもあるからです。うつ病の治療中には基本的にお酒は控えさせましょう。

家族が軽く注意してみても本人が飲酒をやめないようであれば、担当医にご相談を。

(4)回復をじっくり待つ

うつ病の治療は一進一退。症状の軽いうちから適切に治療を受ければ数ヶ月ほどですっかり元気を取り戻すこともありますが、人によっては治療が何年にも及ぶことも……。

ここで患者の家族が「一体いつになったら治るの?」「もう治らないのでは?」と悲観すると、それが患者本人に伝わってますます負い目を感じさせることになりかねません。

身近にいる家族だからこそ不安を覚えるのは当然ですが、それでも「きっと治る」と気長に待ち続けましょう。家族が希望を持つことが何よりも患者のためになります。

 

■7:家族としてのNG接し方

家族だからこそできるうつ病の人へのサポートもある一方で、家族ならでは注意事項もあります。

うつ病の人の家族がやってはいけないこととして以下の2点を押さえておきましょう。

(1)お金の話をする

うつ病で夫が休職してしまった場合などは、金銭面の不安もでてきますね。

ただ、症状がやわらいでいないうちから「貯金でまかなえるのは3カ月しかない」「私も働かなきゃ」などお金の話をすると、患者の不安感や罪悪感を強め、ますます治療の遅れにつながることも。

お金に関する不安や悩みは、医療機関の精神科ソーシャルワーカーなどに相談するようにしましょう。

(2)愚痴や不満をぶちまける

うつ病は患者本人だけでなく、サポートする家族も大変。「私だって辛いんだから」「泣きたいのはこっち」とストレスもたまってくることでしょう。

ただ、うつ病の人に不満や愚痴をぶつけても、その罪悪感を強めるだけで双方にとって悪い結果にしかなりません。

うつ病の家族に言えない本音は専門の相談機関などに打ち明けるようにしましょう。

 

いかがでしたか? あなたにとって大切な人がうつ病になった場合にそなえて、今回ご紹介した接し方はぜひ押さえておきましょう。

(ライター 中田綾美)

 

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【参考】

※ うつ病 - 厚生労働省

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