急速な経済成長を遂げた中国では近年、「お金さえあればなんでもできる」、「カネを持っている奴が偉い」という風潮が確かに存在する。中国メディア・捜狐は20日、急速な経済成長は国内に貧富の差を生んだのみならず、一部の人びとの金銭的な価値観まで捻じ曲げてしまったとする文章を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 急速な経済成長を遂げた中国では近年、「お金さえあればなんでもできる」、「カネを持っている奴が偉い」という風潮が確かに存在する。中国メディア・捜狐は20日、急速な経済成長は国内に貧富の差を生んだのみならず、一部の人びとの金銭的な価値観まで捻じ曲げてしまったとする文章を掲載した。

 記事は、中国国内で頻発する消費者とサービス提供者間のトラブルについて「その根は単に個人のモラルの低さや収入分配の不均衡といった問題のみならず、貧富の差の拡大によって一部の人の金銭的な価値観がねじ曲がってしまったこととも密接に関係しているのだ」と論じている。

 そして「お金があればすべてを手に入れたも同然、と上から物を見ようとする中国人が多く存在する」と指摘。お金を持つと「貧困の弱者」を全く別物扱いするようになり、「俺は金持ちだぞ。お前が俺を不快にさせるようなら殴ってやる。お前に何ができるんだよ」などと言って暴言や暴力を働く事件が至るところで見受けられるとした。

 さらに、日常的に発生している清掃員や宅配便配達員に対する暴力事件が、国内で大騒ぎされるも3日程度で、その後は「石が大海に沈む」如く忘れ去られてしまう点も問題であると指摘し、ネット上で渦巻く批判の声が、社会全体で共鳴することを願うとしている。また「経済的な貧富の差については一時的に認めるが、道徳上の深刻な逸脱は絶対に容認してはならないと主張。「われわれが真の強国になるには、国民の道徳的素養が重要な基礎となるのだ」と論じた。

 日本には「金持ちケンカせず」という諺がある。本当の「金持ち」は些細なことに目くじらを立てず、無駄なトラブルは起こさないようにするのだ。しかし、どうも今の中国ではケンカやトラブルの先鋒に「金持ち」がいるような気がしてならない。にわかに財を成した人々はまず金銭を権力と同一視して、自分のワガママばかりを通そうとする。そこに、「金持ちでない者」に対する蔑視や差別意識が生じるのだ。

 経済成長が鈍化し、新たな成長モデルへと転換を図りつつある中国。そこには、お金に対する価値観、考え方の転換という課題も含まれているのである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)