熊本、大分両県で規模の大きな地震が断続的に発生したことは、中国でも大きく報じられたが、特に注目を集めたのは災害に直面しながらも秩序を失わない被災地の姿だった。(イメージ写真提供:123RF)

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 熊本、大分両県で規模の大きな地震が断続的に発生したことは、中国でも大きく報じられたが、特に注目を集めたのは災害に直面しながらも秩序を失わない被災地の姿だった。

 大勢の人が避難生活をおくる避難所は清潔に保たれ、物資が届いた際には誰もが公平に受け取れるよう列を作った。自己中心的な行動を取る人はおらず、困難のもとにあっても他人への配慮を忘れない姿は多くの中国人を震撼させたようだ。中国メディアの今日頭条はこのほど、秩序ある被災地の様子を紹介しつつ、「日本人は本当に恐ろしい民族だ」と伝えている。

 日本人の災害時における秩序ある行動は熊本地震に限ったものではないとして、記事は日本でこれまで発生した災害時に共通して見られた日本人の行動の数々を紹介している。

 階段に腰掛けて休む被災者たちが、階段の真ん中は通行人のために空けておきつつ、自分たちは階段の端に寄っている様子や、公衆電話を利用するために列を作る人びと、女性や子どもを優先して物資を提供する様子を写真とともに紹介した。

 さらに、中国の雲南省で地震が発生した際、被災者に向けてテントが提供されたが、テントを受け取る際に「保証金」を支払う必要があったという事例を紹介しつつ、日本では災害が起きれば食べ物や飲み物が無料で提供されることを指摘。中国で見られた対応を皮肉った。

 中国人はしばしば「自分たちにはできないこと」などについて、感嘆の意味を込めて「恐ろしい」という言葉で表現するが、記事も、災害時における日本人の民度、素養に対して「恐ろしい」と綴っているほか、被災者にとって地震災害は「もちろん災難である」としながらも、被災者の行動は全世界に向けた「学び」を提供していると伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)