写真提供:マイナビニュース

写真拡大

アクセンチュアは4月25日、今年1月に公開した世界のテクノロジートレンドに関する調査レポート「Accenture Technology Vision 2016」に関する説明会を開催した。同レポートでは、今年企業が押さえるべき5つの最新ITトレンドを定義している。

同社はデジタルエコノミーにおいてビジネスを成功に導く「主役はひと」の原則に従って、以下の5つのトレンドを定義した。

1. インテリジェント・オートメーション(Intelligent Automation)
2. 流体化する労働力(Liquid Workforce)
3. プラットフォーム・エコノミー(Platform Economy)
4. 破壊を予期する(Predictable Disruption)
5. デジタル時代の信頼(Digital Trust)

同社では、「インテリジェント・オートメーション」について、「機械やソフトウェアは新たな仕事仲間として、ひとが新たな業務に取り組むことを支援し、デジタル領域の変化を早めることに加え、新たな競争優位をもたらす」と見ている。

インテリジェント・オートメーションを支える中核技術がAIとなるが、執行役員 デジタル コンサルティング本部 統括本部長の立花良範氏は、「最近、AIが人間の仕事に取って代わるという調査結果が出ているが、人間とAIが手分けすることが常態化することが見込まれる。だから、人を育てることが大切。また企業は、AIができること、できないことを見分ける必要がある」と説明した。

立花氏は、日本におけるインテリジェント・オートメーションに関する示唆について、「少子高齢化が進む日本では働き手が減少するので、新たな働き手としてAIは有力な手段となる。AIの適用先は、製造業、農業、医療、観光など日本の強みと強化すべき領域での活用を進めるべき」と語った。

「流体化する労働力」とは、労働力に変革をもたらすテクノロジーを活用することにより、デジタル時代の日々変わりゆくニーズを満たすことができる柔軟な労働環境を実現することを意味する。

同社は流体化する労働力を実現するにあたり、企業はスキル、プロジェクト、組織に関して、新しくかつ流体化に対応する戦略を策定する必要があるとしている。

立花氏は、日本企業に対する示唆として、「デジタルのカルチャーに以下に適応するかがカギ。仕事のやり方、組織文化の変革に着手する必要がある」と述べた。

プラットフォーム・エコノミーとは、パートナーや顧客とつながる共通のデジタル上のプラットフォームを軸にしたビジネスモデルを意味する。このビジネスモデルは、ユーザーコミュニティ、パートナーなどとつながって、共に作り上げ、さらに拡張していくものだ。プラットフォームは、パートナー間をつなぐデジタルエコノミーの接着剤であり、デジタル・エコシステムへの参加はビジネスの成否を分けるという。

プラットフォーム・エコノミーをすでに実践している企業には、ディズニー、ウォルマート、GM、GEなどがある。

同社によると、デジタルエコノミーを実現する新たなプラットフォームには、新たなテクノロジーを取り入れる必要があるという。具体的には、テクノロジー・アーキテクチャ、ガバナンスとセキュリティ、エコシステムのパートナーといった分野が対象となる。プラットフォームによるビジネスモデルの変化はサプライ起点からデマンドであるひと主導という世の仕組みを変える。

「破壊を予期する」とは、デジタルのエコシステムが、異なる市場をつなぎ、業界の垣根を取り払う「創造的破壊」を予測することを意味する。先見の明を持つ企業は、こうした予測を自社の競争優位性の向上に努めているという。

同社の調査では、業界によって影響度は異なるが、81%の企業はすでにエコシステムによる創造的破壊に直面していることが明らかになっている。

立花氏は、日本における示唆として、さまざまな業界・分野で起こる変化について、プラットフォームプレイヤーの動静を通じて読んで、自社の強みを生かし、どこに向かうべきかという軸足を決めるべきとした。

「デジタル時代の信頼」とは、デジタル時代においては、個人やエコシステム、規制当局との信頼関係を築くために、企業はデジタル領域における倫理を戦略の中心に据えることを意味する。いわゆる、ITを活用したセキュリティの強化だけでは足りないという。

立花氏は、日本企業に対する示唆として、「日本の企業はもっとセキュリティを強化して、それを顧客にアピールすべき」と語った。