映画「ひそひそ星」の世界観を体験できる!渋谷で美術館初個展となる「園子温展」

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綾野剛さん主演の映画「新宿スワン」(2015年公開)やヒット小説を完全オリジナルストーリーで映画化した「リアル鬼ごっこ」(2015年公開)など、話題の作品を相次いで発表している映画監督で詩人の園子温(その・しおん)さん。2016年5月14日(土)に封切りとなる新作映画「ひそひそ星」は、なんと公開前から美術館での初個展が行われているそう。

2016年4月3日(日)から7月10日(日)まで、神宮前の「ワタリウム美術館」では、園子温展「ひそひそ星」を開催中。この個展は、映画では描ききれなかったものをさらにインスタレーションとして空間作品に発展させたという。美術館で開催することによって、来場者が体験できる作品も。

展示では影絵による大掛かりなプロジェクション作品(写真:「今際の際(いまわのきわ)」の橋)や、25年前に園さんがアパートの一室で描いた555枚にもおよぶ「ひそひそ星」の絵コンテなどが見られる。

展示室は2階から4階まであり、例えば2階には、映画の中に登場する人々を影絵で表現した障子の並ぶインスタレーション作品が登場。

映画と個展は、それぞれに楽しめるようにできているそうなので、好きなタイミングで鑑賞を。チケットは大人1000円だけど、大人2人1600円のペア券も。映画を観る前に見て、観た後にもう一度見たいという場合は、期間中に何度でも展覧会を見られる「メンバートライアル」(1500円)のチケットがさらにおトク。

映画のストーリーは、昭和風のレトロな宇宙船に乗った主人公の配達員(アンドロイド)が、広大な宇宙空間を旅して、さまざまな星に大切な荷物を届けるというもの。

配達員は、「30デシベル以上の物音を立てると犯罪」となるため、人間がひそひそ話す「ひそひそ星」にも出かける。写真の黄色い箱は「郵便物」という作品で、奥にずらりと貼ってあるのが、映画の絵コンテ555枚。映画「ひそひそ星」は、この絵コンテをほぼ忠実に映像化しているのだとか。

展示場所では、実際に箱を振って音を聞いて中身を想像して。映画の中の配達員も同じことを行っていて、そのシーンは会場に設置されたモニターで見ることができるそう。


また、1990年代に園さん主宰のストリート・パフォーマンス集団「東京ガガガ」から生まれた「ハチ公プロジェクト」の新作も発表。ここでは、100年後にハチ公が台の上から去っていく姿が! このインスタレーション作品の後ろの壁の字は、園さんの手書きだそう。

映画「ひそひそ星」は、「新宿シネマカリテ」や「横浜シネマジャック&ベティ」で上映され、大島新監督のドキュメンタリー『園子温という生きもの』と同時上映される。

見る前に行くか、行ってから見るか、何度も行くか、いろいろな視点で映画と作品の世界観を楽しんで。

画像 上:「今際の際(いまわのきわ)」の橋 2016年 撮影:岡倉禎志