中国メディア・鳳凰網は23日、世界アンチドーピング機関(WADA)が22日、北京にある中国国家アンチドーピングセンター実験室のドーピング検査機関としての登録資格を最長4カ月間停止すると発表したことに対して、度々禁止薬物問題に苛まれてきた中国スポーツ界が再び窮地に立たされる可能性があるとする評論記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

写真拡大

 中国メディア・鳳凰網は23日、世界アンチドーピング機関(WADA)が22日、北京にある中国国家アンチドーピングセンター実験室のドーピング検査機関としての登録資格を最長4カ月間停止すると発表したことに対して、度々禁止薬物問題に苛まれてきた中国スポーツ界が再び窮地に立たされる可能性があるとする評論記事を掲載した。

 記事は今回の資格停止について、停止期間の長短よりもその「象徴的意味」が大きなインパクトになるとし、中国スポーツ界のアンチドーピング業務が信用危機に直面することになると指摘した。

 そして、これまで中国はドーピング問題で幾度となく浮沈を繰り返してきており、1994年の広島アジア大会では中国代表団で大規模なドーピング違反が発覚、金メダル十数枚がはく奪される「事件」が起きたと紹介。その後も中国スポーツ界におけるドーピング関連のスキャンダルは後を絶たなかったとした。それが2001年に08年北京五輪の開催権を獲得すると、当局がドーピング問題に未曽有の精力を注ぎこみ、大量の検査とともに選手の行動情報報告制度を実施するようになったと解説した。

 しかし、北京五輪が終わると再びスキャンダルが多発し始め、特に競泳において世界チャンピオンの選手がペナルティを課されるなど深刻な状況となっていると指摘。例え「誤飲」と解釈されるとしても、国内のアンチドーピング機関や所属チームは問題の処理過程がクローズである故、外部から激しい疑問の声が浴びせかけられるとした。

 そのうえで「断言はできないが、このような状況で北京の実験室が近年にないペナルティを受けたことは本当に偶然と言えるのか」と疑問を提起。そして、再びドーピング問題が持ちあがったことは「中国スポーツ界において、技術的にも態度の面でもレベルアップを図ることが急務であることを明らかにするもの」とし、その最初の「考査」が今年夏のリオ五輪になると論じている。

 記事は、「想定できること」として、今後数カ月以内に中国のアンチドーピングに対する力の入れ具合が「08年のレベル」に戻る可能性があると指摘した。最も極端な想定では「著名選手の一部が最終的に種々の理由により五輪の出場リストから外される」可能性すら排除できないとし、「いずれにせよ、われわれは『仮説』があくまで『仮説』に過ぎないことを望みたい」と締めくくった。

 1993年から94年にかけて、「馬軍団」と呼ばれる中国の陸上中長距離チームが圧倒的な強さで世界を席巻した。あまりの強さにドーピングを疑う声が常に付きまとっていたが、今年に入って主力選手の1人が当時「馬軍団」の選手が禁止薬物の使用を強制されていたなどとする手紙を書いていたとの情報が伝えられた。

 この件については現在国際陸連が調査中とのことだが、中国スポーツ界とドーピングとの関連性に対する疑念を再燃させたことは間違いない。このほどWADAが中国の検査機関に処分を下したことで疑念がさらに強まることは明らかであり、中国側は厳しい対応を迫られることになりそうだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)